由伸監督 異例の開幕直前“闘魂注入”ノック「井端がぜひやれと」

[ 2017年3月30日 05:30 ]

叫びながらノックをする高橋監督
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 東京ドームで行われた全体練習。投内連係が終わった直後、巨人・高橋監督がノックバットを握った。左翼から中堅、右翼と外野へ打球を飛ばすと、18スイング目を打ち損じ「あー」と漏らす。すかさず遊撃を守る坂本勇から「ノッカー、しっかり練習しないとー」と声が飛んだ。

 続いて内野陣へのノック。一塁を守る岡本が緩い打球をさばいて本塁へダイビングすると、村田から「キャッチャーフライ!」と要求され、最後の90スイング目に捕手の小林に飛球を打ち上げた。普段、打ち慣れている守備コーチでも難しいキャッチャーフライを一発で成功させると、雰囲気が和んだ。「井端(内野守備走塁コーチ)がぜひやれと言うのでね。士気が高まった?そうだったらいい。(キャッチャーフライは高く)上がっていないけどね」と振り返った。

 シートノックだった。試合に入る全野手が守備位置に就き、1人のノッカーが打つノック。監督自らが打つのは異例中の異例だ。高橋監督は今春キャンプ中に2度、特守のノッカーを務めたが、シートノックは就任2年目で初めてだった。

 東京ドームでのノックも初で、ナインを鼓舞する効果は抜群。井端コーチがキャンプ中から「開幕前の最後のシートノックを」と指揮官にお願いしていた。「今までと違ったことをやるのがいいかなと思って」と同コーチ。村田ヘッドコーチは「びっくりした。打つんやって」と話すなど、開幕へ向け一丸ムードとなった。

 選手会長の長野が「盛り上がりましたね」と言えば、寺内は「新鮮でいいと思った」。10年目で初の開幕スタメンが濃厚な中井も「監督が打つなんて驚いた」と二塁守備で軽快な動きを見せた。2年目の重信は「緊張した。監督が打って引き締まりました」と言い、若手には緊張感のある練習となったようだ。

 開幕1軍入りした17人の野手に対しての闘魂注入。開幕を2日後に控えた練習日に高橋監督がサプライズノックで盛り上げた。 (川島 毅洋)

 ▽今春キャンプでの高橋監督のノック 沖縄2次キャンプ第1クール最終日の2月16日、内野特守で阿部、村田、坂本勇の主力3人にノック。1球ごとに選手の名前を呼びながら、井端内野守備走塁コーチと交互に、約1時間にわたって347本を打ち込んだ。キャンプ終盤の同27日の特守でも2度目となるノッカーを務め、約1時間にわたって長野、重信、岡本にノックの雨を降らせた。

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