福岡大大濠・三浦　再試合史上最多計３２６球完投「やっと終わった」

第８９回選抜高校野球大会第９日・２回戦   福岡大大濠５―３滋賀学園 （ 2017年3月28日    甲子園 ）

＜福岡大大濠・滋賀学園＞３失点完投の福岡大大濠・三浦
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　１３０球目、中飛が上がる。アウトを見届けた福岡大大濠・三浦はポーカーフェースのまま小声で「よーし」と言った。２４イニングの激闘を１人で投げきり、お立ち台で「やっと終わったという感じ。疲れはあったが負けたくないという気持ちで腕を振れた」と口にした。

　２日前に１５回１９６球を投げ、２７日の練習では中堅手の西と捕手の古賀が投球練習をする姿もあった。だが、昨秋１３試合、甲子園２試合と全公式戦を完投してきた背番号１がマウンドを譲るはずはない。「５点以上取るから５点以内に抑えろ」という野手のメッセージを受け、力を絞った。５回、３―３から古賀が勝ち越し２ラン。「あれで気持ちが楽になった」と６回以降は１安打に抑え、９回にこの日最速の１４２キロをマークした。

　１９日の開会式で、ラジオ中継で“桑田真澄似のエース”と紹介された。左目の下には特徴的なホクロ。「有名で、偉大な先輩のような活躍がしたいです」と笑う。３試合で計４７５球を投げ、決勝まで進めば４連投になる。「マウンドは譲りたくない」という言葉が、力強い響きを帯びた。

　▼福岡大大濠・古賀（５回１死一塁で決勝２ラン。高校通算４６号）三浦を助けたいと思ってフルスイングした。三浦には「ありがとう」と言われました。

　≪３２６球は最多≫三浦（福岡大大濠）が完投勝利。引き分け試合、再試合ともに完投は春、夏通じ７人目（春３人目）。また、三浦の２戦合計の投球数は３２６（１９６→１３０）。１５回引き分け再試合となって以降、引き分け試合、再試合ともに完投した投手の２戦合計投球数を見ると、０６年夏の斎藤佑樹（早実）が２９６、１４年春の山田知輝（桐生第一）が２７５、同大会の山岡就也（広島新庄）が３０４となっており、三浦が最多になった。

　≪大阪＆福岡２校≫センバツはベスト８が出そろった。秀岳館、東海大福岡、福岡大大濠と九州勢が３校。九州勢のセンバツ８強進出数としては、５８年と９３年に並ぶ最多校数になった。福岡から２校は初めて。大阪勢も履正社、大阪桐蔭が８強入りしており、複数の都道府県から２校が準々決勝に残ったのは、出場３２校がベースとなった８３年以降では８７、９８年に続き３度目。