【甲子園百景・春】「高山君のように」1年前の約束通り成長した大阪桐蔭・徳山

[ 2017年3月26日 08:30 ]

第89回選抜高校野球大会第6日・1回戦   大阪桐蔭11―0宇部鴻城 ( 2017年3月25日    甲子園 )

<大阪桐蔭・宇部鴻城>7回、仲間の守備に笑顔を見せる大阪桐蔭・徳山
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 優勝候補・大阪桐蔭のエース徳山壮磨に注目していた。宇部鴻城相手に7回2安打零封。背番号「1」をつけ、堂々たるマウンドに、僕はうれしくなった。

 試合前、甲子園室内練習場で10分間の取材時間がある。背番号1〜18番のベンチ入り選手が順番に並び報道陣の取材を受ける。昨年のセンバツで背番号10をつけた徳山には誰も取材する記者はいなかった。取材の中心は150キロ左腕・高山優希投手(日本ハム)だった。そんな徳山を取材し、最後に「来年は高山君のように記者が群がる選手になろう」と声を掛けた。徳山は「はい」とうなずき、ニコッと笑った。

 下級生には中学時代から140キロを投げていた根尾ら優秀な投手が入部した。「大変だった?」と聞くと「いや、自分は自分だと思ってやってきました」と胸を張り、この日の試合前には下級生に「笑顔で楽しもう」と声を掛けた。中学時代に所属した兵庫夢前(ゆめさき)クラブの監督から贈られた赤の“勝負パンツ”もしっかりはいて気持ちを高めた。

 人生初のお立ち台。「前から立ってみたかったんです」と甲子園1勝を喜んだ。大阪桐蔭のエースというプライド。冬場の練習で体重は5キロ増えた。徳山は1年で体も心も大きくなった。 (落合紳哉・スポニチ特別編集委員)

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2017年3月26日のニュース