【中村和久の目】清宮 下半身強化で攻守に切れ スイングは「日本刀のよう」

[ 2017年3月25日 08:15 ]

第89回センバツ高校野球・第5日   早実5―4明徳義塾 ( 2017年3月23日    甲子園 )

<明徳義塾・早実>3回表1死、早実・清宮は中飛に倒れる
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 清宮は軸足の蹴りが強くなった。かかとが早くめくれず、地面に沿って上がってくる。それによって腰の回転も鋭くなり、スイングスピードが増している。日本刀のような切れ味があった。下半身が強化されたことによって、それができるわけだ。一塁の守備でもグラブさばきが柔らかく、フィールディングは格段に良くなった。下半身の強化が、全てのプレーにつながっている。

 2つの大飛球を放ったが、詰まったものとバットの先で打ったもので、紙一重だった。打球の上がり方も良く、芯で捉えていれば、スタンドまで届いていたスイング。春先でまだ練習試合も少なく、実戦勘が戻っていないこともあるだろう。ただ、次の試合では1本出るのではないか。

 フォア・ザ・チームも強く感じた。本塁打はあくまでヒットの延長という意識。それは初回のセンター返しのヒットに見られ、同点につながった9回の四球にも表れている。この場面、次打者に清宮がいれば、投手はどうしても意識する。ランナーをためたくないという思いが、動揺につながった。これが高校野球。甲子園にはやはり「魔物」がいる。 (元巨人チーフスカウト・中村和久)

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2017年3月25日のニュース