【侍Jライブ解説・大野豊氏】〈5回〉米国投手交代 目線を変えられる中、いかに対応力を発揮できるか

[ 2017年3月22日 11:58 ]

4回米国1死、イエリチの打球をはじき後逸する二塁手菊池
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は21日(日本時間22日)、決勝ラウンドの準決勝で日本代表が米国代表と対戦。侍ジャパンの熱戦の模様をスポニチ評論家の大野豊氏がライブ解説中。

◇試合経過
米000 10|1
侍000 00|0

 〈5回 米国が継投に入る〉

 ロアークを48球で下げ、米国は継投に入った。いい流れの中で代えていこうということなのだろう。メジャー各球団で力を発揮しているレベルの高いセットアッパー、クローザーが、小刻みに出てくると考えられる。

 目線をどんどん変えられる中、いかに対応力を発揮できるか。各投手の特徴、情報は頭に入っていても、短い対戦で結果を出していくのは容易ではない。とはいえ、先行されている以上、打線の奮起がなければ道は開けない。

 〈4回 米国が1点先制、日本は走者を出すも無得点〉

 名手菊池のエラーから1点を先に失った。正面のゴロだったが、芝の切れ目。芝が雨を含んでいて、打球の勢い、スピンといったあたりがイメージと違ったのだろうか、グラブの土手に当ててはじいた。

 マカチェンに適時打を許す前、ホスマーを2ストライクと追い込みながら四球で歩かせたのも痛かったし、適時打はスライダーを捉えられた。若干甘く入った球。打たれた後、菅野の口の動きは、捕手の小林に、すまないと謝っていたように見えた。しかし、試合はつくっている。あとは打者。ロアークの球を捉える反応が少し悪い。元気を出していくしかない。

 〈3回 菅野が走者を許すも後続を抑える〉

 米国の攻撃で無死一塁からスタントンが三ゴロ。松田がいい動きでゲッツーに取った…と思われたが、リプレー検証で二塁セーフに判定が変わった。

 日本の攻撃では1死一塁から山田の遊ゴロでの二塁転送で小久保監督がビデオ判定を求め、判定通りアウト。山田が盗塁すると、米国の監督がビデオ判定を求め、判定通りセーフになった。

 これだけビデオ判定があると、なかなか試合のリズムが出てこないが、ルールのもとでやっていること。ビデオ判定を念頭に置けば、一つ一つのプレーをより丁寧に行う必要がある。菊池の二塁カバーは、その瞬間、「大丈夫か?足が離れているんじゃないか」と思った。

 〈2回 両軍得点なし〉

 やはりロアークはどんどんストライクを投げ込んでくる。ストレート系の球に対して、日本の打者は坂本勇のファウルであったり、松田のゴロであったり、まだまだ差し込まれている印象だ。追い込まれるまではスライダーは捨てて、真っすぐ系1本でいっていい。

 今日の球審は割と低めをストライクに判定しているように見える。このあたりを、今度は菅野がうまく使っていってほしい。

 〈初回 侍J、三塁まで走者を送るも無得点〉

 菅野は変化球を使いながら、いい入りができた。決して彼本来のコントロールで投げ切れてはいないが、何より3人で終われた。雨の中の投球だが、天候に負けず投げていってほしい。

 攻撃は先頭の山田が死球で出た後、菊池がバントで送り、形を作った。ロアークの特徴は、この回打席に立った4人でしっかり把握できたと思う。8、9割がツーシームを含むストレート系。どんどんストライクを取ってくる。タイミングを合わせ、振り負けないことだ。

 【日本代表スタメン】投手 菅野

1番(DH)山田、2番(二)菊池、3番(右)青木、4番(左)筒香、5番(一)中田、6番(遊)坂本、7番(三)松田、8番(中)秋山、9番(捕)小林

【米国代表スタメン】投手 ロアーク

1番(二)キンズラー、2番(中)A・ジョーンズ、3番(左)イエリチ、4番(三)アレナド、5番(一)ホスマー、6番(右)マカチェン、7番(捕)ポージー、8番(DH)スタントン、9番(遊)クロフォード

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