金髪で一致団結!プエルトリコ 強肩捕手が決勝に導く

[ 2017年3月22日 05:30 ]

WBC準決勝   プエルトリコ4―3オランダ ( 2017年3月20日    ドジャースタジアム )

<プエルトリコ・オランダ>11回、タイブレークでサヨナラ勝ちを喜ぶプエルトリコナイン
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 WBC決勝ラウンドが20日(日本時間21日)に米ロサンゼルスで始まり、プエルトリコとオランダが準決勝で激突。プエルトリコが延長11回タイブレークの末に4―3でサヨナラ勝ちした。ヤディエル・モリーナ捕手(34=カージナルス)の好守が光った。オランダは2大会連続で準決勝敗退となった。

 タイブレークの延長11回1死満塁。ロサリオが放った中飛で三塁走者・コレアがタッチアップし、本塁に滑り込んだ。サヨナラ勝ちの瞬間、ベンチを飛び出す選手の金髪がナイター照明で輝く。2大会連続の決勝進出を決めたエドウィン・ロドリゲス監督は「初回のモリーナのプレーがゲームを左右した」と称えた。

 捕手モリーナは初回無死一、二塁のピンチで、飛び出した二塁走者を「ロケットランチャー」と呼ばれる強肩で刺した(記録は盗塁死)。続く1死二塁でプロファーに右前打を許すと、プロファーがベンチを見て喜ぶ一瞬の隙を見逃さず、一塁に送球してアウト。2つのプレーが相手の猛攻の芽を摘んだ。「一塁に投げたのは私も驚いた」と指揮官。11回無死一、二塁では犠打でサヨナラのお膳立てをした。

 13年大会の準決勝では日本を破った。日本は2点を追う8回1死一、二塁から重盗を試みるも、モリーナの強肩を警戒した二塁走者・井端が帰塁。走りだした一塁走者・内川が挟殺プレーで憤死した。日本にとって忘れられない最強捕手だ。

 モリーナを含むナインは髪やひげを脱色(ブリーチ)して金髪に染め、結束を強めた。ビーチボーイズならぬ「ブリーチボーイズ」と話題で、選手が髪を撫でるのが喜びのポーズ。プエルトリコでも金髪が大ブームだという。10回から2イニングを無失点に抑えた守護神ディアスは「金髪にして停学を食らった学生がいたらしい。プエルトリコを一つにしようとしているんだ。こんなに大きなことになるとは思わなかった」と驚きを隠さない。

 1次ラウンドから無傷の7連勝で、決勝は日本と米国の勝者と激突する。ロドリゲス監督は「どちらが相手でも準備をして臨む」。金髪軍団の悲願「金」まであと1勝だ。

 ≪タイブレーク過去2大会実施されず≫タイブレークは09年大会から導入されたが、過去2大会で実施された例はなかった。12日の2次ラウンド日本―オランダ戦が、大会史上初のタイブレークが行われた一戦だった。ほかに12日(日本時間13日)の1次ラウンド、ドミニカ共和国―コロンビア戦も延長11回に突入しており、今回が3度目。オランダは唯一2度のタイブレークを経験し、2戦2敗だった。

 ▽プエルトリコ 米国の自治領でキューバ、ドミニカ共和国と同様に西インド諸島に位置する。面積は8870平方キロで鹿児島県とほぼ同じ大きさ。スペイン語と英語が公用語ながら住人の大多数はスペイン語しか話さない。今年殿堂入りしたイバン・ロドリゲスをはじめ、ホルヘ・ポサダ、サンディ・アロマー、モリーナの2人の兄(ベンジー、ホセ)ら名捕手を多く輩出している。野球のほかにバスケットボール、ボクシングも盛ん。

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