日大三・桜井 13Kも力尽く…同点9回「あっぷあっぷだった」

[ 2017年3月20日 05:31 ]

第89回センバツ高校野球・第1日 ( 2017年3月19日    甲子園 )

<日大三・履正社>グラウンドに一礼する日大三・桜井(左)
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 開幕し、1回戦3試合が行われた。日大三(東京)は履正社(大阪)との優勝候補対決に5―12で敗北。エース左腕・桜井周斗投手(3年)が13三振を奪うも、力尽きた。呉(広島)は至学館(愛知)に延長12回の末、6―5で甲子園初出場初勝利。前回大会優勝の智弁学園(奈良)は熊本工に9―0と、史上3校目の春連覇へ好発進した。

 悔しさをぐっと押し殺した。強打の履正社打線から桜井は三振を13個も奪ったのに、負けた。

 「情けないです。前半飛ばしたら6、7回から疲れを感じた。最後までマウンドにいたかった」

 5―5の9回。先頭に四球を出した。149球を投じ「あっぷあっぷだった」と中堅に回った。代わった岡部が勝ち越しを許し、なおも2死二塁で3番・安田。小倉全由監督から再登板を託された。「(安田が桜井に)合っていなかった」と指揮官。早実・清宮と並ぶ今大会注目の左の大砲を、初回、3回、5回とスライダーで3打席連続三振に斬っていた。

 スライダー。昨秋東京都大会決勝で清宮から5三振を奪ったことで脚光を浴びた宝刀だ。3連続三振の時は迷いなく腕を振れたのに、9回の対戦だけは、力投を続けたせいだろうか、不安を感じた。「いい時は切って投げる感じだが、ねじって投げているような状態だった…」。代わりばなの第1球、トータル150球目は直球。左越えの適時二塁打を打たれ、さらに2連打を浴びて再びセンターへ退いた。

 1回戦屈指の好カードで敗れたが、夏への収穫はあった。4番の右打者・若林からも4奪三振。6回は新球のチェンジアップで仕留めた。巨人の岡崎郁スカウト部長は「ドラフト上位の可能性はある投手。これからが楽しみ」と評価した。

 中学3年時に左肘を故障し、入学後は外野手。本格的に投手へ再転向したのは昨夏からで、まだ道半ばだ。「負けた時点で夏は始まっている。悔しさを持ってやっていきたい」。夏の帰還を固く誓い、聖地を後にした。(松井 いつき)

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2017年3月20日のニュース