早実・清宮 557日ぶり甲子園帰還弾 大トリ登場「懐かしかった」

[ 2017年3月17日 05:30 ]

元気よくグラウンドに駆け出す清宮(左端)ら早実ナイン
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 第89回選抜高校野球大会(19日開幕)の出場校による甲子園練習最終日が16日に行われ、高校通算79本塁打を誇る清宮幸太郎内野手(3年)を擁する早実が大トリで登場した。1年夏以来の甲子園となった清宮は、シート打撃で右中間へあいさつ代わりの一発を披露したが、23日の明徳義塾との初戦ではこれ以上の打撃を見せると宣言した。18日は開会式リハーサルが行われる。

 衝撃音が銀傘に響いた。高々と舞い上がった打球は、ぐんぐん伸びて右中間席最深部に着弾した。甲子園の土を踏んだのは、1年夏に侍ジャパン高校代表としてU―18W杯決勝で米国と対戦して以来、557日ぶり。推定125メートル弾にはバックネット裏のファンや関係者からもどよめきの声が湧き起こった。聖地カムバックを告げるにふさわしい豪快な一撃だった。

 それでも、清宮は「思ったより伸びた。(スタンドに入ったのは)ちょっとびっくりしたけど、全然まだまだ。大したことないです」と平然と言ってのけた。この日は9スイング中、右前へのライナー性2本を含む安打性は3本。各打者は1セット当たり2本ずつで回したが、和泉監督の配慮で清宮と野村の3、4番コンビだけ3セット目が3球追加され5スイング。8球目の“おかわり”で柵越えした高校通算79本塁打を誇る大砲は「試合でもっといい打撃ができれば」と初戦までにさらに調子を上げるつもりだ。

 1年夏の甲子園は、2本塁打、打率・474と打ちまくった。「やはり打撃にしろ、守備にしろやりやすい場所でした。他の球場とは違う雰囲気、オーラがある。凄く懐かしかった。自分も楽しかった」。3季ぶりの甲子園。「人生最初で最後の選抜高校野球。楽しんでやれれば」と春の舞台でも主役になるつもりだ。

 17日は大阪府内で試合前最後の練習試合を行い、19日の開会式と本番に突入する。相手は92年夏甲子園で、星稜・松井に5打席連続敬遠を仕掛けた策士・馬淵史郎監督率いる明徳義塾。「相手には作戦があるかもしれないけど、ぶれてしまうことで相手の術中にはまってしまう。何があっても動じず自分たちの野球を貫ければ」と不動心を強調。この日の予行練習の一発は、大会での爆発を感じさせるものだった。 (東尾 洋樹)

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