17年版虎クリーンアップは糸井・原口・福留!開幕「ある」

[ 2017年3月16日 06:30 ]

オープン戦   阪神0―8オリックス ( 2017年3月15日    京セラD )

<オ・神>9回、選手交代を告げる金本監督
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 オーダーに糸井が名を連ねたことにより、金本阪神の17年度版クリーンアップの一例が明らかになった。金本監督は多彩な選択肢の存在をほのめかしつつ、一つの案であることを認めた。

 「(この日の中軸は)もちろん(シーズンも)ありえると思う。まあこれから、いろんな打順を試すから。どれが一番しっくりくるかな、と」

 ようやく構想の一つがベールを脱いだ。まずは3番・糸井。昨季打率・306、17本塁打、70打点と確実性と長打力を兼ね備えた背番号7を、打線の要である3番に据えた。この日も1回2死無走者から中前打で出塁。右膝関節炎のため大事を取ったのだろうが、シーズン中なら昨季53盗塁の俊足で二盗を敢行し、2死二塁で4番に託す…という新しい攻撃パターンを可能とする。加えて、1、2番が好機をつくり出していれば、得点源にもなれる。相手投手にとっては、脅威の3番だ。

 そして、4番には原口が座った。金本監督は今季、左右交互のオーダーを組むジグザグ打線を理想に掲げている。3番に左の糸井を起用するのなら、現時点で4番の最有力候補は昨季の得点圏打率・281を誇った原口だろう。しかも昨季は無走者の状況では打率・268ながら、有走者では打率・331と勝負強さを発揮。出塁率の高い糸井の後ろに座るのに、うってつけの打者だ。

 相手にとって難敵であろう糸井、原口の後ろには、40歳シーズンに臨むベテラン・福留も控える。経験、勝負勘はチーム随一。当初は「4番・福留」の構想からスタートした。糸井、原口、福留のクリーンアップは長打力にこそ欠けるかもしれないが、勝負強さは12球団屈指に違いない。

 もちろん、この3人で中軸を固定…というわけでもない。開幕まであと2週間を残す現時点で、あせる必要はない。「なかなか、できないと思うけど、やっぱり一定の期間は『形』をしっかり作って、できるだけやりたいから。正直(シーズン通じての固定は)できないと思うよ。そんなにみんな地力が付いているわけじゃないから。もちろん、4番も含めて(流動的になる)」と指揮官。この日の中軸トリオは、あくまで一つの形。とはいえ、今年の阪神打線の「軸」の一案が、確かに見えた一戦でもあった。 (惟任 貴信)

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2017年3月16日のニュース