東京ガス木村 淡々7回0封 ハムスカウト絶賛「とんでもない投手になる」

[ 2017年3月14日 05:30 ]

全国社会人野球第72回JABA東京スポニチ大会第3日・Aブロック   東京ガス2―0新日鉄住金鹿島 ( 2017年3月13日    岩槻大通 )

<東京ガス・新日鉄住金鹿島>7回を無失点に抑えた東京ガス・木村
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 予選リーグ8試合が行われ、4強が出そろった。初優勝を目指す東京ガスは日大出身のルーキー、木村光彦投手(22)が新日鉄住金鹿島を相手に7回5安打無失点の好投。2―0で破り、決勝トーナメントに進出した。また、トヨタ自動車、NTT東日本、Hondaが4強入り。14日は神宮で準決勝、決勝の3試合が行われる。

 負ければ予選リーグ敗退の大一番。先発を託された木村は、気負うわけでもなく、打者1人、1イニングと淡々とアウトを積み上げていった。7回を5安打、三塁を踏ませることなく公式戦初勝利を無失点で飾った。

 昨秋の東都大学野球で日大を25季ぶりに優勝に導いた右腕。5勝を挙げ、最高殊勲選手に輝いた。その1年前、菊池壮光監督は木村の投球を見て「うちの屋台骨になってほしい」とほれ込んでいた。「木村が入社するときに山岡(オリックス)はいないだろうし、変化球でしっかりストライクが取れる。だから誘ったんです」と振り返る。木村自身も「こんな僕に声を掛けてくれて東京ガスさんにお世話になろうと思った」と迷うことなく入社を決めた。

 走者を許しても本塁には還さない。スライダー、ツーシーム、カットボールにシンカー系の落ちるボール。どの球でもカウントが稼げ、勝負球にもなる。ネット裏でチェックした日本ハム今成泰章アマスカウトは「球持ちもいいし、打者の手元で強いボールが来る。これでもっと威力が増せばとんでもない投手になる」と安定感を絶賛した。

 「今はチームの方針やチームに慣れているところです。マウンドでは、できることをしっかりやること。4番に(同期の)笹川や投手の臼井らもいて心強い。今日の勝利に満足せず、気を引き締めていきたいです」

 3連投の臼井も2イニングをピシャリと抑え木村に勝利をプレゼント。刺激し合って成長している。「マウンドで慌てない。信頼できる投手に育ってきました」。口説いた指揮官の口元が自然と緩む。春の王者へ、山岡が抜けたチームに新たなエース候補が出現した。 (落合 紳哉)

 ◆木村 光彦(きむら・みつひこ)1994年(平6)9月13日、千葉県生まれの22歳。習志野では2年時の11年に夏の甲子園に出場。4試合中3試合に救援登板して8強進出に貢献した。日大では4年秋に5勝をマークして25季ぶりの優勝に導き、MVP、最優秀投手、ベストナインを獲得。1メートル84、80キロ。右投げ右打ち。

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2017年3月14日のニュース