松田 連夜の「熱男」だ!同点犠飛 超積極打法で本領2戦5打点

[ 2017年3月9日 05:30 ]

WBC1次ラウンドB組   日本4―1オーストラリア ( 2017年3月8日    東京D )

<オーストラリア・日本>勝利を喜ぶ松田(右手前)ら侍ジャパン
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 球場を覆い尽くす閉塞(へいそく)感を打破したのは松田だった。0―1の5回無死一、三塁。オーストラリア2番手のL・ウェルズの外角スライダーに素直にバットを出した。

 「走者を還すことだけを意識した。いい感じで打てたので、ヒットになれば良かったけど、最低限の犠牲フライで振り出しに戻せて良かった」

 左翼への同点犠飛。熱い男が冷静な一振りで勝利に貢献した。

 勢いが止まらない。計2試合で8打数5安打、1本塁打、5打点。好調の要因を「自分のこれまでやってきたことをグラウンドで出す。超積極的に打席でスイングすること」と自己分析する。大会直前の実戦5試合では計11打数2安打。不振を極める中、志田宗大スコアラーの言葉で目覚めた。

 「(投球を)見ながら、合わせていくタイプじゃないんじゃない?」

 国際舞台でも自分のスタイルを変える必要はない。この日の犠飛も交代したばかりの投手の2球目、ファーストストライクを狙って叩いた。

 世界一奪還のため、大胆な調整を進めた。16年内はほぼ完全休養し、年明け1月5日から始動。スイッチの入れ方は激しかった。新人合同自主トレで何度も石段を駆け上がった福岡市東区の大嶽神社で階段、坂道ダッシュを反復し、原点回帰。練習後、ヤフオクドームへの移動中に突然の体調不良に襲われ、愛車を車道脇に急停車。胃の中のものが全て逆流したという。一気に負荷を上げたことで内臓が悲鳴を上げたが、常識にとらわれない“マッチ流”で体をつくり上げた。

 恐怖の8番打者としてチームの得点源となり、守備でも三塁から「超積極的」に声をかけ、投手をもり立てる。侍に不可欠な背番号「3」は「チーム一体となってやっている。応援の力も感じるし、みんなで上を目指して頑張っていきます」と強く言い切った。(桜井 克也)

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