阪神・秋山 開幕ローテ当確!「状況に応じた投球」で5回1失点

[ 2017年3月9日 09:10 ]

オープン戦   阪神3―2ロッテ ( 2017年3月8日    甲子園 )

<神・ロ>先発ローテ争いの中、好投を見せた秋山
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 阪神・秋山拓巳投手(25)が8日、ロッテとのオープン戦(甲子園)に先発し、5回2安打1失点(自責0)と好投し、開幕ローテーション入りに当確ランプをともした。投手にとって歓迎できない急激な冷え込みにも負けずに、結果を残した頼もしい姿に金本知憲監督(48)始め、首脳陣も高評価。台頭が待たれた8年目右腕に、飛躍のビッグチャンスが舞い降りてきた。

 寒さに耐えた“つぼみ”が、ついに開花の時を迎えた。秋山にとって、敵はロッテ打線だけでなく、底冷えのする聖地だった。

 「ブルペンが暖かくて、外に出ると気温差があって…最初は体が動かなかったけど、状況に応じた投球ができた」

 甲子園は気温10度を下回り、冷え込んだ中での投球だった。指先の感覚が微妙に狂うなど、簡単なマウンドではない。1つのアウトを確実に積み重ねることに徹した。

 3回までに奪った9個のアウトのうち、実にフライアウトは7個を数えた。「ゴロアウトでゲッツーを取りたかったですけど…」と求める投球スタイルとは違うと感じても、冷静になって競争に身を投じている自身の立場を見つめ直した。

 「フライでも1人、1人アウトを取ればいい」

 迷いを消して、腕を振るからこそ結果も付いてくる。今春実戦14イニング連続無失点で迎えた5回2死一塁で、中村の放った左翼への飛球を高山が落球。初失点を喫したが、5回2安打1失点(自責0)とほぼ完璧な内容で先発の役割を果たした。

 「追い込むまでの(カウントの)作り方が良かった。コーナーにしっかり投げ分けることができたから、スイングしてくるゾーンで詰まり、ひっかけも多かった。追い込んでから直球で押せたので、1つ幅は広がった」

 手にした収穫に言葉も弾む。香田投手コーチは「コンディションが悪い中でしっかり投げている。よほどのことが無い限り、5番手、6番手として戦っていける結果を残している」と「当確」を示唆。競争を抜け出した右腕に対し、金本監督は「(開幕ローテに)近づいたように感じますね。開幕で疲れてしまうことがないように体の手入れとか、心の準備とかをできるようにならないと」と開幕を見据えた調整を新たな課題に設定した。

 この日は往復8時間かけて地元・愛媛から父・正二さん、母・みゆきさんも寒さに耐えながら外野席で観戦。「元気な姿を見られて安心した」と声を揃える両親に快投を届けることができた。

 「(他の投手の結果も)意識した中で、しっかり勝負して、それなりに結果を残せた。毎年、(競争の)大事なところで負けてるので。1年間、1軍で投げきるという強い気持ちで頑張る」

 悩み、苦しんで、プロ8年目を迎えたことを思えば、慢心も油断もできるはずがない。秋山の覚悟を示す1年になる。(遠藤 礼)

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2017年3月9日のニュース