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「午後7時までは絶対降りない」殿堂入り星野氏 巨人戦に燃えたワケ

巨人戦は特に燃えたという現役時代の中日・星野仙一氏
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 いま39歳の記者が子どもだった頃は地上波放送でのプロ野球中継が多く、巨人戦は常に高視聴率だった。お茶の間での一家団らんの「BGM」で、チャンネルを変えようとすれば父親の怒声が飛んだ。まだ携帯などで簡単に情報を得られなかった時代。ニュースのスポーツコーナーは必ずチェックした。

 今年の1月16日、うれしいニュースが届いた。中日での現役時代は打倒・巨人に燃え、監督としては中日、阪神、楽天で優勝を達成した星野仙一氏(現・楽天球団副会長)が野球殿堂入りを果たした。記者は12年途中から14年まで楽天を担当。13年は東日本大震災の被災地でもある東北に勇気と感動を届けた球団初優勝と日本一を取材した。

 約3年、近くで取材した星野氏との印象に残っている会話は多々あるが、やはり現役時代の昔話はおもしろかった。「全国にテレビ中継される巨人戦は特に燃えた」という闘将。ただ、いつも調子がいいわけではない。そんな時にマウンドで考えていたことは「7時までは絶対に降りない」だった。午後7時は一般的なテレビ中継の開始時間。地元の岡山の家族や親類、全国にいる学生時代の友人が、自身が先発登板する中継を楽しみに待っていることを知っていたからだ。仮に試合序盤、午後6時台でKOされれば知人らに姿さえ見せることができない。何度もスパイクのひもを結び直すなどして時間を稼いだこともあったという。

 昔と今を単純に比較することはできない。情報があふれ、娯楽は多様化し、人々の生活スタイルも変わった。決して「地上波放送の減少=プロ野球の衰退」ではない。昨年はセ、パ・リーグとも観客動員は史上最多を更新。近年は各球団のファンサービスも充実している。それでも70歳の星野氏の危機意識は強く、事あるごとに「プロもアマチュアも団結して底辺(野球人口)の拡大や環境作りをしなければ野球界に未来はない」と語る。

 日本ハムの栗山監督は二刀流の大谷と広島の黒田(昨季限りで現役引退)にスポットライトが当たった昨年の日本シリーズの激闘を制した際に「本当に苦しかったけど、ふとした瞬間に何度も“幸せだなぁ”と思った。両軍ファンが、こんなに熱く応援してくれたから」と言った。そこにあるのは、星野氏と同様に球界発展への強い思いだ。

 現在、球界の未来を担う侍たちが世界一を目指して戦っている。そして今月31日には2017年シーズンが幕を開ける。(記者コラム・山田 忠範)

[ 2017年3月9日 10:00 ]

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