侍J誠也 発熱全快!実戦初安打が豪快3ラン 9回には千金四球

[ 2017年3月6日 05:30 ]

侍ジャパン強化試合   日本5―3オリックス ( 2017年3月5日    京セラドーム )

<オリックス・日本>2回、逆転3ランを放ち、坂本(右)、中田(中央)に迎えられる鈴木
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 チームにかけた迷惑を、取り返そうと必死だった。0―2の2回無死二、三塁。中田、坂本勇の連打で築いた好機に、侍ジャパンの7番・鈴木が豪快なフルスイングで応えた。「チャンスだったし、少々のボールでも積極的に行こうと思った」。1ボールから甘い直球を左中間に叩き込んだ。実戦7打席目での初安打が左中間への3ランとなった。

 38度台の発熱で2月28日、3月1日の台湾プロ選抜戦(ヤフオクドーム)を欠場。「風邪をうつしてはいけない」との思いと、周囲からの説得にあったが、鈴木自身は「病は気から。これぐらいはいつもやっている」と出場に執念を見せていた。

 3日の阪神戦(京セラドーム)で実戦復帰も3打数無安打。思わぬ形で試合勘は狂ったが、4日は休日返上で練習を行い、稲葉打撃コーチの助言で緩い球を打ち返し、打撃フォームを修正した。

 野手最年少の22歳。飽くなき向上心が強打を支える。普段は礼儀正しい好青年だが、先輩と食事中でも不意にYou Tube(動画投稿サイト)の画面を食い入るように見つめることがある。

 「構えが格好良い選手は絶対に打つ」が持論。最近のお気に入りは、マイク・トラウト(エンゼルス)とポール・ゴールドシュミット(Dバックス)の2人。特に13年ナ・リーグの本塁打王と打点王の2冠に輝いたWBC米国代表のゴールドシュミットは最高のお手本だ。一塁手としての守備も一流で、三拍子そろったスタイルは自身の未来の姿として重ねる。

 打つだけではない。7回の四球に続き、9回2死二塁でも四球を選び、代打・秋山の決勝三塁打を呼び込んだ。「周りに良い打者がいるので、自分が決めようという思いは全くない」。7日のキューバ戦へ、迷いもない。「やるしかない。思い切って、開き直って、全力で行く」。誠也の言葉は力強かった。 (森田 尚忠)

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