【侍チェック 吉村禎章】打順入れ替えで選手に積極性出てきた

[ 2017年3月6日 07:35 ]

侍ジャパン強化試合   日本5―3オリックス ( 2017年3月5日    京セラドーム )

<オリックス・日本>9回2死一、二塁、勝ち越しのホームを踏んだ平田(左)を笑顔で出迎える小久保監督
Photo By スポニチ

 侍ジャパン・小久保監督は、本番前最後の実戦で打順を入れ替えた。理想の形で大会に入れれば良かったが思ったより機能しなかったことでよりよい形を探ったのだろう。そのシミュレーションはできたのではないか。2回は先頭の中田が2球目を反対方向(右前打)へ。坂本勇が初球、鈴木は2球目を3ランした。各打者の積極的な姿勢は「何かを変えよう」という選手の気持ちの表れでもあった。

 WBCは投手に球数制限がある。とくに先発は1イニングでも長く引っ張りたいのはどの国も同じ。であれば打線はそれを逆手にとればいい。対戦がない投手を相手にした場合、データだけでは勝てない。ストライク先行でくるところを思い切って打って出ることができる選手の存在は大きい。あとは切り札となる内川や秋山を今日のようにどこで使うか。「ここが勝負どころ」の見極めがより大事になってくる。

 いずれにしても、何が起こるか分からないのが国際大会だ。選手を信じて結果的に楽に勝てればいいが、大ざっぱな野球は日本の野球ではない。勝つために、ベンチがあらゆる手を駆使できるのか。動くべきところは動く。あの手この手で勝ちにいく。日本の野球の凄さを世界に発信してもらいたい。 (スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2017年3月6日のニュース