侍捕手・小林不安…武田の「軸になる球種」分からず3失点

[ 2017年3月4日 05:35 ]

WBC強化試合   日本2―4阪神 ( 2017年3月3日    京セラD )

<阪神・日本>6回表無死一塁、小林は送りバントを失敗
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 最大の武器、カーブが抜ける。カウントを取るために要求した直球がことごとく痛打された。侍ジャパンの先発マスクをかぶった小林は、1次ラウンド・中国戦で先発予定の武田と実戦で初めてバッテリーを組み2回4安打3失点。試合後に反省の弁を並べた。

 「もう少し早めに投げやすい球種、ストライクを取りやすい球種を知ることができたら抑えることができた。立ち上がりに軸になるボールを見つけたい」。初回先頭の北條に直球を右翼線に運ばれる。続く高山にはカウント3―1から、ど真ん中の直球を右翼フェンスを直撃する二塁打とされた。いきなりの二、三塁。1死後、遊ゴロで1点を先制された。

 滑りやすいWBC球の影響もあり、制球が定まらない。53球中、実に23球がボール。2四球の2回も、いずれも直球を叩かれ、2つの長打で2点を失った。大野とパ・リーグ同士で組んだ2月25日ソフトバンク戦で3回を無安打、39球で終えた右腕が、セ・リーグ捕手と組んで急変。ブルペンでは組んできたが、実戦で「軸になる球種」を見極められなかった。

 本大会前の実戦4試合で、先制点を許した3試合はいずれも敗戦。短期決戦では1点が重くのしかかり、全ては後手に回る。小林は6回の攻撃では無死一塁でバントできず、見逃し三振した。本大会では「代打」もある場面。もし投手と捕手によって相性の良しあしが出れば、終盤のディフェンスを考えて代打を送ることもできなくなる。

 世界一に輝いた06年は里崎、連覇した09年は城島、13年は阿部と絶対的正捕手がいた。故障を抱えた嶋が離脱する。炭谷が合流しても、現メンバーの小林への期待は高い。「いろんな球を受ける中で、軸になるボールを見つけたい。しっかり話し合っていきたい」。残された時間は少ない。(神田 佑)

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2017年3月4日のニュース