侍最年長35歳青木流リーダーシップ「青さん、ノリさんと呼んで」

[ 2017年3月3日 05:38 ]

小久保監督(右)と話す青木
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンで、唯一のメジャーリーガーであるアストロズの青木宣親外野手(35)が2日、チームに合流し、28人のメンバーが出そろった。京セラドームでの全体練習でも積極的にコミュニケーションを取った。守備面では中堅手のレギュラーとして全権も託され、3日の強化試合・阪神戦(京セラドーム)では「1番・中堅」で出場する。

 唯一のメジャーリーガー、最年長35歳が年下選手に歩み寄る。青木にとって、合流初日の「仕事」は明確だった。

 「期間が短いので積極的にいきました。話しやすい環境にしたい」。ランニングでは秋山、武田と会話。ストレッチしながら意見交換する稲葉コーチと中田の輪にも入った。最年少21歳の松井裕とは14歳差。「年が開いているので自分から行くことが大切」と、投手も野手も関係なく笑顔で話しかけた。

 09年の第2回大会以来の代表復帰。青木は「8年前と立場が違う」と風通しのいいチームづくりを目指す。宿舎の全体ミーティングでは「青さん、ノリさんと呼んでほしい」と、話しかけやすい雰囲気をつくった。06、09年の世界一連覇も経験。幾多の修羅場も乗り越えた日米通算1965安打のヒットメーカーは「何か切羽詰まったときに、アドバイスになる一言を言えるような立ち位置がいい」と考える。

 プレーでけん引するのは、言うまでもない。24スイングの打撃練習では1発の柵越えを含め、鋭い打球を右中間に引っ張った。守備練習では中堅で飛球を追った。打球処理の「全権」を任される外野手のリーダー。「向こうでやってきた経験、強さを与えてくれたらいい」と小久保監督は、3日の阪神戦と5日のオリックス戦(ともに京セラドーム)で「1番・中堅」起用する方針。2月28日に帰国したばかりで、時差ボケ対策も含めて多くの打席数を与え、本大会での1番か2番起用を見極める。

 27歳だった09年は、イチローの背中を見ながら戦った。8年がたち、敵国に多く在籍するメジャーリーガーも「見ればほぼ分かる」という。7日のキューバ戦(東京ドーム)が迫る。「イチローさんのように、というのはあれ(恐れ多い)ですけど。行動も、言っていくことも大切」と今大会は精神的支柱となる。

 「日本の球場で野球をするのは久しぶりで本当にうれしかったし、楽しかった。残り2試合を大切にして、いいものをつかんで7日を迎えたい」。世界一奪還を目指す役者がそろった。(神田 佑)

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