【田淵幸一 侍チェック】被安打17の理由…ほとんどなかったインコース攻め

[ 2017年3月1日 10:40 ]

侍ジャパン壮行試合第1戦   日本5―8台湾プロ選抜 ( 2017年2月28日    ヤフオクドーム )

<日本・台湾プロ選抜>3回1死一塁、王柏融(後方)に逆転2ランを浴びた則本
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 選手は相当な危機感が芽生えただろう。それこそが、この試合における救いだ。大会まで1週間。逆にこの時期で良かったとプラスに捉えたい。

 投手陣は17安打を浴びた。ポイントは配球面。捕手目線で見て、インコースへの攻めがほとんどなかった。これでは国際試合は抑えられない。特に7日の1次ラウンド初戦で戦うキューバ打線を考えると、内角攻めの徹底は必要不可欠だ。彼らはアウトコースのボールに思い切り踏み込んでくる。私が日本代表コーチを務めた08年北京五輪の時に聞いたが、その際に「手首を返して、打球にフックをかける」という。逆方向におっつけるのではなく、引っ張りにかかる。そんな打撃をするのだから、内角攻めが有効なのは自明の理だ。

 打線では山田、坂本勇、中田…。彼らはチームに戻れば主軸。しかし侍ジャパンでは、ただ強振するのではなく状況に応じた打撃が求められる。何より忘れてほしくないのが「後ろにつなぐ」という野球の基本。泥くさくても、どんな形でもいい。そうした打撃を心掛けていれば、彼らは日本を代表する打者。必ず状態は上がってくる。小久保監督もそうだろうが、私も選手を信じている。 (スポニチ本紙評論家)

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2017年3月1日のニュース