侍ジャパンの頭脳「スコアラーとは精神安定剤のようなもの」

[ 2017年2月25日 09:30 ]

スタッフも戦う!もう一人の侍=志田宗大スコアラー

侍ジャパンの頭脳を担う志田スコアラー
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 ベンチの奥で、赤いバインダーを手に眼鏡の奥の目を光らせる。侍ジャパンの頭脳を担う志田宗大スコアラーは、今や欠かせない存在だ。

 初めて代表に携わった15年の「プレミア12」は「カルチャーショックだった」と振り返る。ヤクルトでスコアラーとしての経験を積んでいたが「配球とか、いつの間にかこびりついていた固定観念は世界では全く関係ない。それを肌で感じ、世界の野球は広いなと思った」。各国の情報収集は、新たな発見の連続だった。

 データを集めて分析し、数字を示す。それがスコアラーだ。一方で「スコアラーとは精神安定剤のようなもの」という。選手が安心して打席へ、あるいはマウンドに行ってもらう手助けをするからだ。対極にあるはずのものが交錯し、それぞれが力を発揮できる状況をつくり上げる。自分自身もそうだ。相手チームを徹底的に分析しながら、先日は休日を利用して宮崎県日南市の鵜戸神宮を訪問。崖下にある岩に男性は左手で玉を投げ入れ、30センチ四方のくぼみに入ると願いがかなうとされる「運玉」に「世界一」を願い挑戦し、成功させた。心の準備も整った。

 小久保監督からも「選手を後押しするアドバイスができているから続けてくれ」と言われるほど信頼を寄せられている。「勝ち負けはあると思うが、世界の出場国のスコアラー職の人たちの中で一番準備してきた自信がある」と志田スコアラー。侍の誇りを胸に刻み、頼もしく言い切った。 (町田 利衣)

 ◆志田 宗大(しだ・むねひろ)1979年(昭54)6月16日、岩手県生まれの37歳。仙台育英―青学大を経て、01年ドラフト8巡目でヤクルトに入団。10年限りで現役を引退し、11年からヤクルトのスコアラーに。15年第1回「プレミア12」から侍ジャパンのスコアラーを務める。座右の銘は「運命を愛し希望に生きる」。

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2017年2月25日のニュース