広島ドラ1加藤 怪投2回5K0封 無死満塁ありボークありの奪三振ショー

[ 2017年2月25日 06:20 ]

練習試合   広島9―1ロッテ ( 2017年2月24日    コザしんきん )

<広・ロ>初回無死満塁、パラデス(手前)を3球三振に仕留める加藤
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 球場はざわめき、ため息がこぼれ、そして大歓声に包まれた。広島のドラフト1位・加藤(慶大)が対外試合デビューで2回2安打2四球と大荒れながら、ロッテ打線から5奪三振で無失点という“怪投”を演じた。

 「0点で抑えられたのはよかった。球自体はそんなに悪くなかったとは思う。最初は浮足立ったような感じだった」

 初回、いきなり先頭の高浜にストレートの四球を与える不穏な立ち上がり。続く鈴木に中前打を浴びると、さらに清田にも四球で満塁を背負った。球速は147キロを計測したが、たまらず畝投手コーチはマウンドに駆け寄った。ところが、その直後に一変した。

 パラデス、ダフィー、平沢を3者連続三振。決め球は全てフォークだった。「ちょっと(投球テンポが)速くなっていた。浅い呼吸になっていたのを深い呼吸にできた」と趣味のヨガをするときの呼吸法を取り戻し、本来の姿を思い出した。

 2回も先頭・井上に左前打されると、続く柴田への3球目が静止不十分でボークと判定され、無死二塁。だが、ここでも柴田、吉田を連続三振に仕留めるなどして切り抜けた。慶大時代から逆境でも動じないのが持ち味。「自作自演」からの奪三振ショーに、緒方監督は「ストライクが入らない中でも腕を振っていた。ハートの強さを見せてくれた」と称賛した。

 実戦デビューとなった14日の紅白戦(日南)でも2回無安打無失点。侍ジャパンの鈴木のバットも力勝負でへし折った。1メートル76と上背はないが、最速153キロの直球には魂をこめている。引退した黒田の穴を埋める候補の一人として首脳陣の期待も大きい。この日は「暴れ馬」のような投球だったが、それも加藤の魅力のように感じた。

 ▼広島・畝投手コーチ(ドラフト3位の床田も2回2安打無失点と好投し)今のところ2人とも先発でいけると考えている。投げるたびに株が上がっている。

 ◆加藤 拓也(かとう・たくや)1994年(平6)12月31日、東京都生まれの22歳。慶応高1年秋に捕手から投手に転向し、3年夏は神奈川大会8強入り。慶大では4年秋の東大戦で史上24人目のノーヒットノーランを達成するなど通算26勝、歴代15位の309奪三振を記録。1メートル76、90キロ。右投げ右打ち。

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