侍・藤浪 国際試合の流儀学ぶ“判定不満でも顔に出すな”

[ 2017年2月24日 08:32 ]

侍ジャパン強化合宿 ( 2017年2月23日    宮崎市・宮崎県総合運動公園 )

投内連係を行う藤浪
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 3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一奪還を目指す侍ジャパンの強化合宿が23日に宮崎市の宮崎県総合運動公園で始まり、藤浪晋太郎投手(22=阪神)は「ポーカーフェース」を“侍流儀”として胸に刻んだ。権藤投手コーチからバッテリー陣に出された、外国人審判対策として判定への不満を態度に出さない旨の指示に呼応。28日の台湾プロ選抜との壮行試合(ヤフオクドーム)での中継ぎ登板も決定的となり、侍・藤浪が動きだした。

 国際試合ならではの流儀を頭に叩きこんだ。強化合宿初日。バッテリー陣に対して「ポーカーフェース指令」の通達が出た。どちらかといえば、感情が表に出るタイプだけに「国際的にはよろしくないということなんで、できるだけやらないように意識したい」とうなずいた。

 強く訴えたのは権藤投手コーチだ。「海外のアンパイアはストライク、ボールの判定への反応にはデリケートになってくる。捕手はさりげなく(ボールを)返せとね。審判を敵に回したらいかん。投手にも言ったよ」。日本語は通じず、言葉で微妙なニュアンスを伝えるのは難しい。審判も人間だ。判定に不服そうな素振りを見せて心証を害すれば、以降の判定が余計に不利に働く危険性がある。ミットを構えた位置と違う“逆球”はストライクゾーン内でもボール判定される例もあり、同コーチは「城島なんかはうまかった。(マリナーズ時代)逆球になっても『ミットはこっちだけど、逆に投げさせますからね』とか最初から審判に言ってたらしい。まあ、そこまでは求めないけどね」と具体例を出して説明した。

 侍としての本格始動。藤浪の状態の良さは明るい表情が物語っていた。胸に「JAPAN」と刻まれた背番号17に身を包み、午前10時にグラウンドに姿を見せると侍のエース、巨人・菅野と笑顔で談笑。ブルペン入りはせず、中日・岡田とキャッチボールし、投内連係などのメニューをしっかりこなした。

 「ブルペンは明日(24日)入ります。身が引き締まる思いなので、しっかりやります」

 久々に再会した“チームメート”と汗を流し、他球団の先輩からいじられるなどリラックスムードで初日を終え、帰りのバスに乗り込む前にはキリッと表情を引き締めた。宜野座キャンプでは実戦3試合で計9回を3安打1失点。やるべきことをやってきた自負と代表として本格的に動きだした高揚感が言葉ににじんだ。

 今後の実戦調整としては25日のソフトバンクとの練習試合(サンマリン)には出場せず、28日の台湾プロ選抜戦に中継ぎ登板する見込みとなった。小久保監督らが視察した13日のDeNAとの練習試合(宜野座)では従来の印象を一変させる変化球主体の安定感抜群の内容で2回を完全投球。投球も表情も「侍仕様」となり、ひと味違う藤浪を見られそうだ。(山添 晴治)

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