DeNA筒香 WBC使命は「奪還」 今も目に焼き付くイチローの決勝打

[ 2017年2月23日 06:25 ]

WBCの目標に「奪還」を掲げたDeNA・筒香
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 世界一奪還へ――。DeNA・筒香の視線が鋭く光った。沖縄・宜野湾で最後の練習を終え、帰り支度を済ませたはずの主砲が、ベンチに戻って来た。最前列に陣取り、DeNAと練習試合を行う韓国代表の打撃練習を20分以上も凝視。その目は侍モードに突入していた。

 「侍ジャパンのユニホームを着るので、持っている力を出し切れるように頑張る。自分のやるべきことは変わらない。いつも通りにやるだけ」

 やるべきことは分かっている。筒香は、迷うことなく決意の言葉を書き込んだ。「奪還」。2大会ぶりとなる世界の頂へ、チームの先頭に立って引っ張る覚悟を表した。プロ8年目の25歳。今でも目に焼き付いているシーンがある。当時横浜高の2年だった筒香は、09年の第2回WBC決勝をテレビ観戦。宿敵・韓国を相手に延長10回、イチローが決勝中前打を放った。筒香少年は衝撃を受けた。「国を背負って戦うことは特別。僕もそういう存在になりたい」。その思いを持ちながら、プロに入ってから7年間努力を続けてきた。

 昨季は110打点と44本塁打で2冠を獲得。小久保監督からは4番候補としてだけではなく、チームリーダーとしても期待される。「監督としても人間としても本当に尊敬している」という同じ和歌山出身の指揮官を決勝の地・ドジャースタジアムで胴上げする。筒香の信念とも言えた。

 この日のフリー打撃では、左投げの打撃投手を相手に11スイングで中堅越え1本をマークして締めた。「イメージ通りに順調に終わりました」。万全の状態で宮崎に入った筒香の顔は、まさに世界と戦う侍の表情だった。 (中村 文香)

 ▽イチローの第2回WBCの世界一決定打 09年3月23日(日本時間24日)、決勝で韓国と同大会5度目の対戦。延長10回2死二、三塁から林昌勇が投じた8球目、外寄りのシンカーを中前にはじき返す2点適時打を放った。その裏をダルビッシュが抑え、大会2連覇を達成。この日4安打を放ち世界一の功労者となったイチローは、「気持ち良かったですね。ほぼ、イキかけました」と喜びを語った。

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