刺激し合う2年目コンビ 阪神・高山&板山“相乗効果”に期待

[ 2017年2月22日 10:50 ]

笑顔でかごを運ぶ阪神の高山(左)と板山
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 2人の“ライバル”関係に注目している。阪神の15年「ドラ1」高山と、「ドラ6」板山の同学年コンビだ。

 六大学の通算安打記録を打ち立てて鳴り物入りで阪神に入団した高山と、亜大で主軸を務めていたがドラフト前の報道では大きく扱われることがなかった板山。

 高山は前評判通りの活躍で、球団の新人最多安打記録を塗り替えて新人王を獲得。左翼のレギュラー候補筆頭として17年シーズンを迎える。一方の板山は「前評判以上」と言うべきだろうか。最下位入団でも昨春キャンプから評価を上げて、40試合出場、106打数で25本の安打を放った。その成長力と吸収力から、金本監督の期待も大きい。

 この2人、同い年の野手ということで仲も良いが、取材をしていると、心のどこかで「負けられない」と思っていることが感じ取れる。

 「もし高山が1年目、自分と同じ成績だったとしたら“期待外れ”って言われてると思う。満足なんかできるわけない。“自分はまだまだ”と言い聞かしてやらないと」

 そう話すのは板山。阪神球団で活躍すると必ず、翌日のスポーツ紙では大きく紙面を飾り、情報番組でも大々的に取り上げられる。自分を見失ってしまいそうな状況の中でも、板山は、しっかり「現在地」を把握し「目的地」を見つめている。

 一方の高山も「普段は仲良くしているし、実際仲は良い。でも野球になると、表には出さないけどそういう気持ちはどこかにある」と話す。グラウンドではクールな表情を滅多に崩さない高山だが、内に秘める闘志は静かに燃えている。

 今春キャンプでは、2人とも結果を出している。ここまで3度の対外試合で高山は11打数4安打の打率・364。板山は3戦全てで安打を放ち、10打数3安打の打率3割。この打席数でどうこう評価するのは間違いだが、打球の強さ、打撃内容を見れば、2人とも、今オフでパワーアップしたことは明らかだ。

 18日の練習後に行われた特打では、高山が157スイングで14本の柵越えを放つと板山も142スイングで16本。逆方向に意識して打つ打席があったり、2人それぞれ違う意図を持って打っているだろうから「どっちが勝ち」とかはない。だが、お互いの打席をジーっと見つめ、交代したら負けじと快音を響かせる姿には、「静かなライバル心」を感じる。

 2年目に向けての心情を「怖さがある」と表現する高山と、「とにかくやるしかない」と闘争心を隠さない板山。「相乗効果」に期待したい。(巻木 周平)

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2017年2月22日のニュース