阪神・高山 まるで糸井や!“恐怖の3番”初盗塁に初タイムリー

[ 2017年2月17日 05:55 ]

練習試合   阪神9―0韓国・サムスン ( 2017年2月16日    宜野座 )

<阪神・韓国サムスン>5回1死一塁、打者・中谷の時、高山(左)は二盗を決める
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 阪神は沖縄・宜野座キャンプ第4クール初日の16日、韓国サムスンと練習試合(宜野座)を行い、9―0で完勝。「3番・左翼」で先発出場した高山俊外野手(23)は今春、初適時打を含む2安打に初盗塁も決めた。

 現在、右膝関節炎の影響で別メニュー調整を続けている糸井の完調時をほうふつさせる、打って走っての猛アピール。虎に新たな「超人」誕生の予感だ!

 若トラの年代なら「アピる」というフレーズだろうか。打線は12安打9得点、投手陣も零封リレー。金本監督に褒められたくて投打でアピール合戦が繰り広げられたが、その中でも一番の“アピラー”は高山だ。

 5回、先頭で金賢宇(キム・ヒョンウ)の121キロ高めの抜けたスライダーを右前打して出塁。続く原口の時に3球けん制球をもらい、1死後、中谷の初球前にも速いけん制をもらったが直後にスタート。厳しいマークの中で今春、初盗塁となる二盗を成功させた。「はい、そうです」だけの受け答えは、次の塁を狙うのはさも当然といわんばかりだが、明らかに「成長」「進化」した姿だった。

 昨季はわずか5盗塁で失敗もチームワーストの4個あった。高山のスピードからすれば不満すぎる数字で、金本監督からも「積極的にいけたら、行けばいい」と機動力も期待されている。6回2死一、二塁で林大韓(イム・デハン)の136キロ真ん中直球を中堅右へ放ったライナーは、まさにその足で適時二塁打としたものだった。

 力強く打って、速く走る姿は、まさに糸井にダブって見える。その糸井は右膝関節炎からのリハビリ中で実戦出場にはまだ時間がかかるが、まるで超人がもう一人いるかのようだ。1本目の右前打した球種について「ツーシームかカットボールか、真っすぐかもしれない…」と、意識して聞いてみればどことなくコメントの内容も似ていなくもないような…。

 それでも、2回の第2打席で5球目を打って一ゴロに倒れたが「その前の4球目にレフト方向へファウルしたのですが、あれをもっと引っ張れていたら」と天才的に悩む姿も、また高山らしい。「超人+天才」型だとしたら、末恐ろしいプロ2年生だ。

 この日のように「3番・高山」は、糸井が合流しても、福留がいても、鳥谷がいても十分にありえる選択肢だ。現に巨人の森中聖雄スコアラーは「高山が3番にいたら機動力がアップするのでイヤですね」と漏らした。

 練習最後は板山、大山とともに特打で締めた。「この前のゲーム(13日のDeNA戦)では(4打席)ヒットがなかったので、きょう打てたのに越したことはないですが、まだまだあまりいい感じではないですね」。さらに努力もまた、人一倍している。 (畑野 理之)

 ▼高山の盗塁 新人だった昨季はオープン戦14試合を含め、開幕前の実戦で盗塁なし。4月19日ヤクルト戦(甲子園)の8回に二盗でプロ初盗塁を決めた。シーズンでは企図数9に対して、5盗塁(盗塁成功率.556)。盗塁死4度は、チーム最多だった。

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