由伸監督 春季キャンプ初ノック!阿部、坂本、村田に闘魂注入347本

[ 2017年2月17日 05:30 ]

村田にノックする高橋監督
Photo By スポニチ

 サプライズノックで闘魂注入だ。巨人の高橋由伸監督(41)が、沖縄2次キャンプ第1クール最終日となった16日、阿部慎之助(37)、村田修一(36)、坂本勇人(28)の内野陣の特守でノッカー役を務めた。春季キャンプで自らノックするのは就任2年目で初めて。56分間で計347本のノックを浴びせ、実戦が始まる18日からの第2クールに向けて刺激を与えた。

 球場を包む空気が一変した。井端内野守備走塁コーチがノックを打ち始めてから1分後だった。背番号24のユニホーム姿の高橋監督が、ノックバットを手にさっそうと一塁側ベンチから飛び出してきた。スタンドの観客から拍手がわき起こる。井端コーチと交互に、阿部、村田、坂本勇への「愛の授業」が始まった。

 「はい、勇人!」。1本目の打球は力なく転がる。遊撃の坂本勇は笑顔で捕球し「緩いです!」。一塁の阿部からは「速いのお願いします!」とリクエストされ、三塁・村田の「(体が)泳いでる!」との厳しい指摘には苦笑いだ。ただ、慣れていないだけ。天才打者が打つ打球は本数を重ねるごとに鋭さを増した。左右に振り回された村田が「WBCがあるから、あっち(坂本勇)を動かした方がいい」と嘆くと、指揮官は「ケガされたら困る」と返し、村田に強い打球を浴びせ続けた。

 阿部109、坂本勇117、村田121の計347本。ノックが終わると、見届けた外野手の長野が「ナイスノッカー!」と絶叫した。3人はユニホームを泥だらけにし、足がふらつく。41歳の青年監督は「捕る方はもっと疲れただろうけど、打つ方も疲れた。今までは捕ったことしかなかったのでね」と振り返りながら、さわやかに笑った。

 キャンプ中盤にさしかかり、主力内野手を相手に自らノックすることに意味があった。「阿部や村田は体力強化というところ。まだまだ力のある彼らが元気なのは、チームにとって大きい。もっともっと刺激を受けてほしい」と高橋監督。春季キャンプでは長嶋監督が97年に清原、00年に江藤にノックを浴びせた。原監督も07年に小笠原を相手にノッカー役を務めた。かつての「風物詩」の復活でもあった。18日の第2クール以降は、練習試合やオープン戦など実戦が中心となる。ノックを受けた3人だけではなく、チーム全体に闘志を注ぎ込んだ56分間だった。 (重光 晋太郎)

 ▼阿部 疲れた。自らの練習もあるけど、球場に来てくれているお客さんも喜んでくれてよかった。

 ▼村田 ありがたいです。いい汗をかいて気持ちよく練習ができた。実戦が始まる次のクールからは結果を出さないといけない。

 ▼坂本勇 盛り上がるし、いい練習になる。ああいった練習も大事なので、また打ってもらいたい。

 ≪由伸監督の過去のノック≫

 ☆ノッカーデビュー 打撃コーチ兼任となって迎えた15年の宮崎春季キャンプ。日曜日だった2月8日に阿部からノックを求められ、「まじ?まじ?」と戸惑いながらもノックバットを握った。初球はいきなり一塁ベースを直撃。阿部と片岡、井端を相手に約20分、100球ほど打ち「新鮮といえば新鮮だけど、半分は恥ずかしいという気持ち」と話した。

 ☆監督就任後初ノック 新監督として臨んだ15年宮崎秋季キャンプで、11月10日に初ノックを披露。投手陣の特守で、内海&大竹に左右にコースを散らしながら計145球を打った。内海からは「いいですね、監督!」と声を掛けられ「もうちょっと左右に振れば良かった。僕の技術のなさか、優しさなのか」と振り返った。

続きを表示

この記事のフォト

2017年2月17日のニュース