ソフトB純平 内川斬り3連続K 1軍初実戦で15年ドラ1の輝き

[ 2017年2月17日 05:30 ]

ソフトバンク紅白戦   紅組2―0白組 ( 2017年2月16日    アイビー )

紅白戦で2回を無安打無失点に抑えた高橋
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 ソフトバンクの高橋純平投手(19)が16日、今キャンプ初の実戦となったA組(1軍)の紅白戦で紅組の先発を務め、2回を完全投球した。1軍では初の実戦登板。WBCに出場する内川聖一外野手(34)らから3者連続三振を奪い、鮮烈なデビューを飾った。15年のドラフトで3球団が1位で競合した高卒2年目右腕。ケガで出遅れた昨季、1軍登板なしに終わった19歳は開幕ローテーション入り、そして新人王を目指す。

 王子様のような端正なマスクにさわやかな笑みが広がった。「制球より球威を意識した。きっちりファウルでカウントが取れた」。2回を完全。プロ2年目を迎えた高橋は1軍初の実戦登板で確かな手応えをつかんだ。

 主力が並ぶ打線を相手に腕を振った。初回2死から長谷川勇を147キロの直球で見逃し三振に仕留めた。1歳上で同じ高卒ドラフト1位の松本裕との投げ合い。ベンチで松田から「負けんなよ!」とカツを入れられた。高橋も譲る気はなかった。

 圧巻は2回だ。先頭の4番・内川を迎え「打席に入るとデカい」と感じたが、3球目には146キロの直球でファウルを打たせた。振り遅れる姿を見て「思い切り投げれば内川さんからファウルも奪える」と自信を持てた。2ボール2ストライクと追い込み、最後は切れ味鋭いスライダーで見逃し三振。続く吉村も147キロの直球で空振り三振だ。3者連続三振はバリバリの主軸から奪った。

 この日最速は149キロ。自身の打席で投げ込まれた内川は「うれしいね。投げ方がダイナミック」と絶賛した。県岐阜商では高校No・1右腕として甲子園を沸かせ、15年ドラフトでは中日、日本ハムと3球団競合。だが1年目の昨年は左すね痛で出遅れ、春季キャンプはリハビリ組だった。7月のフレッシュ球宴(倉敷)で自己最速の154キロを計測したが、2軍公式戦は7試合で2勝1敗止まり。1軍に呼ばれることもなかった。

 今キャンプも決して順調ではなかった。12日のシート打撃では打者8人に1本塁打を含む3安打1四球。倉野投手統括コーチに呼び出され、「A組にいる意味が分かってない。自分の長所を出せ!」と叱責(しっせき)された。その言葉を胸に「自分の長所は球威」と開き直って好投。倉野コーチも「気持ちを見せた」とうなずいた。

 12球団屈指の先発陣に加え、松本裕やドラフト1位・田中(創価大)ら若手のライバルも多い。そこから勝ち上がって目指すものがある。ファンから贈られたボール形の手作りキーホルダーを練習用バッグに付けている。「うれしいですよね」。その白球には「新人王」の文字が刺しゅうされていた。 (君島 圭介)

 ▼ソフトバンク・工藤監督 これでいいと思わず、上を目指してほしい。

 ▼楽天・安田周一郎スコアラー いいボールを投げていた。切れもある。(武田ら)WBC組の調整次第では(先発ローテーションに)入ってくる可能性はある。

 ▼オリックス・田上健一スコアラー 真っすぐも変化球も切れる。(先発枠への)十分なレベルにいる。

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