ソフトBドラ1正義 「苦手」短い距離の送球 4度目成功で屈辱の拍手

[ 2017年2月13日 08:59 ]

投内連係の練習で落球などミスを連発する田中
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 完全無欠と思われたスーパールーキーにも弱点があった。昨秋ドラフトで5球団から1位指名を受けたソフトバンク・田中(創価大)が、思わず叫んだ。「野球って難しい」――。投内連係の練習後、多目的グラウンドで特守を行っているときに本音がこぼれた。

 バントシフトなどのサインプレーを確認する作業でミスを連発した。投手前のバントを二塁送球する平凡なプレーだったが、送球はワンバウンド。2回目は高めへ抜けそうになり、3度目も再びワンバウンドした。4度目に成功した際には、スタンドから拍手が起こる屈辱も味わった。

 プレートから本塁への18・44メートルは問題ないが、短い距離の送球は「苦手」と自覚する。その後の捕球動作も不安定でカバリングを忘れ、ブロックサインまで見落とした。9日のフリー打撃で上林のバットをへし折るなど、圧巻の投球を見せた156キロ右腕がルーキーらしい一面を露呈した。

 これにはネット裏もざわつく。創価大の先輩でもあるオリックス・田上健一スコアラーは「(送球難の)情報は噂どおり。真っ向勝負で崩せないならば、そういうところを攻めないといけない」と指摘。楽天・小池均スコアラーは「球は天才的。(弱点を)やってくるところはあるかもしれない」と手がかりを見つけた様子だった。

 それでも工藤監督は「最初から全てできる人はいない。うまくなる人は練習を積み重ねている」とミスを責めず、田中には毎日の特守を指示した。ミスをしたプレーにはスタンドからのため息も聞こえた。当然、田中の耳にも届いたが、「そういう職業なので…」。エースを目指すには、乗り越えなくてはならない課題がはっきりとした。 (福浦 健太郎)

 ▼初日からブルペン 王貞治球団会長、工藤監督らの前で、1日からいきなり捕手を座らせて45球。「あえて(力は)抑えました。7、8割ですね」。

 ▼和田も高評価 3日に2度目のブルペン入りで64球。見守っていた左腕・和田は「打者から見た方が、球がビュッと来ている感じがする」と期待を寄せる。

 ≪正義のキャンプ≫

 ▼内川&松田も仰天 5日にブルペンで85球。「速え〜っ!」(内川)「ふきあがってくる感じ」(松田)と、打席に立った侍戦士2人も目を丸くする堂々の投げっぷりを披露。

 ▼初の100球超え 7日、B班(2、3軍)調整中の松坂も見守る前で132球。キャンプ初の100球超えに「投げるたびに良くなってきたので数が増えた」。

 ▼バット粉砕 9日にフリー打撃に初登板。上林、塚田に直球を計40球を投げてバットを2本折り、空振りも4度奪った。安打性の当たりは4本に抑えた。

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