阪神・北條 特大130メートル弾 金本監督絶賛「フォーム良くなった」

[ 2017年2月8日 09:07 ]

フリー打撃でサク越え弾を放つ北條。左は金本監督
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 阪神・北條史也内野手(22)が沖縄・宜野座キャンプ第2クール初日となった7日、フリー打撃で昨季10勝を挙げた岩貞から左中間へ推定130メートルの特大弾を放った。

 金本知憲監督(48)から「去年よりフォームも良くなった。いい打者の共通点」と高評価された。昨季終盤に遊撃の定位置を奪い、今季は鳥谷と正遊撃手の座をガチンコで争う。今春初実戦となる、8日の紅白戦でも結果を出し、バトルを先行する。

 昨春とは明らかに違う。打席の中でも余裕が感じられ、自信さえ漂う。フリー打撃で岩貞と対戦した20球目。鋭いスイングから放たれた打球は宜野座の曇空を切り裂くように、伸びていった。打球は左中間スタンドの最深部で弾む推定130メートル弾。ファンからも思わず拍手が送られるほどの一撃だった。

 「良い形で打てました。左中間深くに打てたのは良かった。(この日は)直球が来ると分かっていた。実戦の中でもそういうスイングをしていきたい」

 パワーアップを見せつけた。柵越えこそ1本だけだったが、18スイングで安打性は8本。うち5本が長打性の打球で、中越え、右中間、右翼線、左翼線と広角に打ち分けた。昨季は31本の長打を放ったが中堅から右方向への一打は6本だけで19・4%。この日は単純比較はできないが60%を記録した。見守っていた金本監督も「フォームも良くなっている。回転の仕方が良くなっている。体幹がブレずに、しっかり力が伝わるようになっている。いい打者の共通点ですよ」と称賛の言葉を並べた。

 成長の裏には、もちろん、地道な努力がある。昨年11月の秋季キャンプ。北條は指揮官から直々に渡された短尺バットを黙々と振りこんだ。通常よりも10センチ短い75センチのバットで「軸回転を意識して体に巻き付けるように打たないと打球は遠くに飛ばない」と話す代物。昨季の打率・273、5本塁打、33打点からの向上を目指し、アーチスト流の練習に取り組んだ。

 今キャンプ5日目には「短いバットで、バットをしならせるように振る意識で、腕の使い方もかなり良くなった」と効果を告白していた。それから2日。言葉を証明するような一発に、金本監督の言葉にも熱がこもる。

 「(飛距離も)伸びている。きょうも、えらい大きい本塁打を打っていたね。スイングスピードもあるし、当たり負けしなくなった。インパクトって、すごい重さがかかるから。1トンくらいと言うのかな。すごい、重さがかかっているから、それに負けなくなった」

 手応えを確信に変えるため、あとは実戦で結果を残すのみ。8日の紅白戦では1番が予定される。「飛ばそうと思ったら形が崩れるので、自分の形で打てるようにしていきたい」。そう意気込む表情にも、確かな自信が見えた。 (久林 幸平)

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2017年2月8日のニュース