【石井一久クロスファイア】巨人 V奪回への鍵は外国人枠の使い方

[ 2017年2月8日 11:00 ]

フリー打撃に登板するカミネロ
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 巨人の宮崎キャンプを見たが、陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)、森福ら新戦力も加わり、選手層は明らかに厚くなった。その中で僕がV奪回へのポイントの一つと考えるのは、外国人枠の使い方だ。4人の枠をどう使うかで、高橋監督のプランも変わってくる。基本は投手3でマイコラス、マシソン、カミネロ、野手1はマギーが有力か。

 その構成で鍵を握るのは、メジャーでの実績もあるカミネロだろう。ブルペンでの投球を見た時は、そこまで凄いという印象は受けなかった。スライダーが指に掛かった時はいい曲がりをするが、まだ不安定。160キロを超す直球があるとはいえ、精度の高い変化球が一つないと、簡単には抑えられない。現段階では実力は未知数だ。

 もし、カミネロが期待通りの活躍をしてくれれば、ブルペン陣は強固になる。抑えは沢村として、例えば7回をカミネロと森福、8回をマシソンと山口鉄というように、「外国人の速球派右腕と実績ある左腕」を1セットとし、2人で1イニングという起用ができる。相手打者の右左によって、どちらから入ってもいい。7回から1イニング1人ではなく、2―2―1という起用法。昨季リーグ優勝した広島を見ても分かるように、救援陣の安定が優勝への近道となっている。

 一方、外国人野手もマギー、ギャレット、クルーズと、それなりに実績ある選手がそろっているが、投手に3枠使った場合、使えるのは一人だけ。マギーは楽天時代のような働きができれば、大きな戦力になる。問題は二塁を誰が守るか。今年の巨人ではレギュラー争いの最激戦区で、本職が外野の立岡や重信も挑戦している。日本人選手でまかなえればいいが、クルーズに頼るようだと、カミネロを外さないといけない。

 攻撃は最大の防御という考え方から野手2、投手2とするのか、それとも救援陣重視で投手3、野手1とするのか。高橋監督はオープン戦で外国人の構成も見極めていくことになる。 (スポニチ本紙評論家)

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2017年2月8日のニュース