【追球】山田 WBC東京ドーム想定 滑る芝、滑るボール、滑る打球で守備

[ 2017年2月8日 09:40 ]

ノックを受ける山田はスローイングし、後ろにひっくり返った後にV字開脚
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 侍ジャパンの主軸がWBC対策として、新たな取り組みに励んでいる。ヤクルトの山田哲人内野手(24)は1、2次ラウンドの舞台、東京ドームを想定した人工芝での特守で本番に備える。

 WBC公式球は、日本のボールに比べて滑りやすいとされる。縫い目も浅く、指にも掛かりにくい。初めて手にした三木ヘッドコーチも「縫い目が低く感じた」と証言する。本番までにどれだけ対応できるか。二塁手の山田が行った練習法は、あえて悪条件の下で取り組む斬新なものだった。

 向かった場所はグラウンドではなく、人工芝が敷かれた室内練習場だった。「東京ドームが人工芝なので」と1、2次ラウンドで使う球場を想定した。WBC球は新品だった。試合中の投手のようにもんだりはせず、あえて滑りやすくした。さらに、もう一つ。ノッカーを務めた三木コーチが、次々と打球に「アクセント」を加えていく。

 「滑る芝に滑るボールで、滑りやすい打ち方をして。少しカット気味に強く打ったりね。逆にボテボテのを打ったり」と同コーチ。打球に多くのスピンを加えることで、捕球する山田の方に向かって伸びるような打球を演出した。併殺打を連想させるボテボテの当たりもあった。あらゆる打球をイメージさせた。

 捕球以上に適応が求められるのは送球。山田は三木コーチに近づいたり、離れたりするなど細かく捕球位置を変えた。一塁送球から併殺など。三木コーチが体勢を崩させて投げさせる場面もあった。打球の強弱に捕球位置関係を組み合わせると、取り組んだパターンは10種類以上にも及び、山田は「想像以上に投げられた」と自信を深めた。

 WBC球で初めて行った特守。昨オフ、1月の自主トレ、そしてキャンプ第1クールのキャッチボール時に握り続け「最初は違和感があった」が「今ではそれが普通の球という感覚」にまでなった。13日の韓国・ハンファとの練習試合(浦添)で実戦初戦を迎える。 (川手 達矢)

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