大谷 重さ3倍!特殊球打ち ボールで足への負担確認「今日は大丈夫」

[ 2017年2月8日 05:30 ]

「パワーフォーストレーニングボール」で打撃練習を行う大谷
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 右足痛でリハビリ中の日本ハム・大谷翔平投手(22)が6日(日本時間7日)、アリゾナキャンプ第2クール初日に通常の約3倍の重さの特殊球を使ったティー打撃を行った。患部の状態を確認することが狙いで、ランニングメニューの強度も上げてきた。手術する可能性もある中で、状態は上向きつつある。WBC出場断念のショックを振り払い、指名打者での開幕戦出場を目指す。

 室内練習場に突然、鈍い音が響いた。大谷が打ったボールは硬球ではなかった。ティー打撃に割いた約30分のうちの数分間。開始当初は手探り状態だったが、打球は徐々に鋭さを増していった。

 「重いボールを使って、足(右足首)の負担は大丈夫かなという確認。今日は大丈夫だった」

 第2クール初日。別メニュー調整が続く中、ティー打撃で使用したボールは「パワーフォーストレーニングボール」と呼ばれるゴム製のものだった。硬球より一回り小さいが、重さは約3倍の425グラム。痛めていた右足首のリハビリの一環で、トレーナーに前方からトスしてもらい、右足首へかかる負担を確かめた。室内練習場は業務提携を結ぶパドレスの施設で、このボールはマイナーリーガーなど、若手選手がパワーアップや練習の目先を変える目的で使う。

 右足首の痛みは投球時の「底屈(足底の方に足首を曲げる動き)」に限られており、打撃の動作には支障がない。この日のランニングでは明らかにスピードアップするなど着実に段階を踏んでいる。「全体の動きはあまり変わらないが、ランニングメニューの強度はだんだん高くなっている。基本的には日に日に良くなっている。無理のない範囲で普通にこなせている」。WBCに出場しないことが決まった。さらに3年連続の開幕投手も絶望視されている。それでも、打者出場への希望は決して捨てていない。

 今後の状態次第では手術する可能性もあり、予断は許さない。「強度の高いダッシュとかだと、(右足首に)炎症が出るかもしれない。ぶり返すこともあるので慎重にやっている」と話すが、回復傾向にあることは確かだ。次のステップはスパイクを履いた練習。依然としてアリゾナキャンプでは屋外でのフリー打撃に参加できていないが、「まずはランニング中心になると思う。外でも打って、いい(状態)となればそうなる」と前を向いた。焦らず、じっくりと。復帰への道は「打者・大谷」から始まる。 (柳原 直之)

 ☆特殊球でのティー打撃 大谷は15年1月の自主トレで硬球よりも大きくて重いソフトボールを使った打撃練習を行ったことがある。そのソフトボールでのティー打撃は巨人・阿部が昨季から導入。ソフトバンクも10年に秋山監督が「体全体のバランスを養うため」とチーム練習に用いた。他に阪神は、11年の春季キャンプでミート力などの強化を目的に、ゴルフボール大のポリウレタン製特殊球を使用。ちなみに漫画「巨人の星」の花形満は「鉄球を鉄バットで打つ」という練習を行った。

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2017年2月8日のニュース