糸井思わぬ悩み…別メニューで虎になじめない「全然できてへん」

[ 2017年2月3日 05:55 ]

バランスボールに座り、一人バットを振りかぶる糸井
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 国内フリーエージェント(FA)権を行使し阪神に新加入した糸井嘉男外野手(35)が沖縄・宜野座キャンプ第1クール2日目の2日、思わぬ悩みを告白した。「全然できてへん…」と明かしたのは、野球ではなく、チームメートとのコミュニケーション。右膝のケガによる完全別メニュー調整で孤立しているのが要因だけに、回復と同時に悩みも解消されるはず。しばらくは我慢の時が続きそうだ。

 宜野座の曇り空同様、糸井の表情もどこかさえない。キャンプ前に右膝関節炎を発症しキャンプ初日から完全別メニュー調整を強いられた2日間が終了。球場からの帰り道、超人が、らしからぬ弱気な言葉を漏らした。

 「全然できてへん…」

 この言葉だけ聞けば、深刻な事態を想像する。思った練習ができない。結果、調整が遅れ、最悪、開幕も万全の状態で臨めない…。糸井でさえも重圧に負けるのかと思いきや、しっかりと言葉に続きがあった。

 「プールにいるおじいちゃんとおばあちゃんとしか仲良くなってないわ」

 糸井の言う「プールのおじいちゃん、おばあちゃん」とは、2日連続で通った宜野座村内にあるプール施設『かりゆしカンナタラソ』の利用者のこと。「できてない」のは、新たな同僚とのコミュニケーションが不足していることを意味していた。

 それほどに、チームメートと触れ合う機会が少ない。キャンプ2日間の動きを見ても明らかだ。この日も練習開始時から全体のアップから離れ、午前10時過ぎには球場から本屋敷俊介トレーナーとともにプール施設に向かった。同11時すぎに球場に戻ると、誰もいないウエートルームへ。ドーム内におけるティー打撃の間も2、3人の選手と軽い会話を交わすだけで、午後2時に球場を去るまで、新たな仲間と交流する姿はほとんど見られなかった。そんな中で、ティー打撃時に談笑した青柳は「自分からはとても話しかけられないので、話しかけてもらえるのはありがたい。『俺もサイドスローにしようかな』と言われた」と笑顔でやりとりを明かした。

 糸井は患部の完治を最優先とするが、同僚との意思疎通も重視している。キャンプイン前日の1月31日には全体ミーティング前に各選手の部屋を“アポなし”で訪問し、あいさつ。猛虎の一員としてチームに早く溶け込みたい気持ちが強い。

 一方で、順調な回復ぶりを見せている。この日のティー打撃で1日を上回る182スイング。そのうち、21スイングは立った状態でフルスイングを披露した。当面は2月中旬での全体練習復帰を目指している。合流すれば自ずとチームメートとの交流も増える。今は「悩みの種」をモチベーションに昇華し、完全復活を目指す。 (久林 幸平)

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