巨人・坂本勇、侍3番濃厚 小久保監督明言「クリーンアップを」

[ 2017年2月3日 05:30 ]

侍ジャパン・小久保監督が見守る中、フリー打撃で快音を響かせる坂本勇
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 3月開催の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する巨人・坂本勇人内野手(28)が2日、宮崎キャンプを視察した侍ジャパンの小久保裕紀監督(45)から「クリーンアップ」に指名された。昨季固定された「3番」での起用が濃厚。日本ハム・大谷翔平投手(22)が投手出場を辞退、打者としての出場も絶望的となった中、リーダーとして侍を世界一奪還へ導く。

 「暗雲」を切り裂くかのようなマン振りだった。ロングティーにフリー打撃。坂本勇は背中に熱視線を感じながら、左翼席に計12発を運んだ。期待通りの打球を見届けた小久保監督は、初めてその起用法を明言した。

 「現状では、クリーンアップの一角を、と思っている。ショートのレギュラー。チーム、内野手の要として引っ張っていってもらえれば」

 長距離もある万能タイプは「3番」での起用が濃厚とみられる。1日に日本ハム・大谷が右足首痛を理由に、投手での出場辞退を発表。打者での出場も状況は極めて厳しく、チーム、さらには日本中に不安が走った。リーダーの統率力がますます重要になる中、指揮官は坂本勇に「侍の方でも大いに引っ張っていってほしい」と期待。28歳は「どこで打つにしてもしっかり準備するつもりだった。何番でも頑張りたい」と覚悟を口にした。

 昨季は打率・344でセ・リーグ初の遊撃手首位打者に飛躍した。11月の侍ジャパン強化試合は1、3、6番で先発出場したが、似合うのは巨人と同じ「3番」だ。13年WBCで1、5、6番を打つなど、侍では4番と9番以外を経験。「3番」は5試合で15打数6安打4打点、打率・400と好結果を残す。これまでに小久保監督は打線構成について、青木の1、2番での起用と、4番を「筒香か中田」とすることを明言。坂本勇がメジャー戦士と主砲を結ぶパイプラインとなる。

 巨人では主将3年目に突入した。高橋監督の信頼も厚く、小久保監督に対して「昨年からチーム全体を見渡して引っ張っていくという姿が出てきている」という太鼓判があったという。宮崎での先乗り合同自主トレでは、多くの若手に丁寧に自身の打撃論を説明する姿があった。大谷の投手辞退が発表された1日も、「僕が大谷君のことを、どうこう言うものじゃない。頑張ります」と極めて冷静に対処した。

 WBC球での守備練習は、4日からのキャンプ第2クールで開始予定。送球時に「滑る」感覚を感じていて、右肘への負担も考慮しながら慎重に調整を進めることも小久保監督と確認した。巨人の主将から、日本のリーダーへ。「そういうところも含めて、チーム全体を見ながらやっていければいいのかなと思う」。世界の頂へ、侍のクリーンアップは坂本勇から始まる。(神田 佑)

 ▽坂本勇の侍ジャパン先発3番 山本、小久保両監督の侍ジャパン国際試合で計5試合で3番を打ち15打数6安打4打点、打率・400。チームは5戦全勝で、昨年11月のオランダ戦では満塁走者一掃の二塁打を放っている。なお新人時の07年に若手で編成されたプレ北京五輪でも全5試合で3番を打ち、日本の優勝に貢献した。

 ≪侍ジャパンの歴代リーダー≫

 ☆宮本慎也 04年アテネ五輪、08年北京五輪で2大会連続主将。アテネ五輪ではアジア予選・中国戦や本大会予選リーグ・ギリシャ戦など4試合で猛打賞を記録。2番打者として長嶋ジャパンの核となり、銅メダル獲得に貢献。

 ☆イチロー 06年の第1回WBC、09年の第2回WBCで強烈なリーダーシップを発揮して連覇に貢献。第1回WBCでは全8試合に出場し33打数12安打、打率.364。第2回WBCは序盤不振にあえいだが、韓国との決勝戦で勝ち越し打を放った。

 ☆阿部慎之助 13年の第3回WBCで主将、4番、正捕手の1人3役を担った。大会直前に右膝を痛めるも注射治療などの処置で開幕に間に合わせ、全7試合に出場。23打数6安打7打点、打率.261、2本塁打だった。

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