小久保監督が直接ハッパ 誠也ライト定位置獲れ「成長すさまじい」

[ 2017年2月2日 05:55 ]

リラックスした表情でスタンドティーを行う鈴木
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 プロ野球の春季キャンプが1日に各地で始まり、広島・鈴木誠也外野手(22)は日南・天福球場で侍ジャパン・小久保裕紀監督(45)の視察訪問を受けた。代表に選出されている3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けて「ライトはまだ決めていない」とレギュラー格への成長を期待されるなど大きな刺激を得たキャンプ初日になった。

 侍ジャパンの小久保監督は権藤投手コーチを伴って、練習開始と同時の午前9時半に日南・天福球場に来訪。午後の打撃練習を終えるまで招集した3選手の動きを食い入るように見つめた。中でも鈴木の期待通りの成長ぶりに目を細めた。

 「伸び盛りと言いますか、1年でこれだけ成長するんだな…と。成長のスピードはすさまじいものがあると感じた」

 昨年2月2日、日南キャンプを視察した小久保監督は、鈴木のポテンシャルを見抜き、早々とラブコールを送った。その予言通り、昨季は「神ってる」大ブレーク。昨秋11月の強化試合では、代表入りを確実なものにした、オランダ戦での満塁弾が記憶に新しい。指揮官はこうも言った。

 「ライトはまだ決めていない。(壮行、強化試合など)5試合で状態の良い選手を見極めて…ということになると思う」

 3月のWBCに臨む侍ジャパンの外野陣は左翼・筒香(DeNA)、中堅・青木(アストロズ)が確定。右翼を秋山(西武)、平田(中日)と鈴木が争う図式だ。1年前を思い起こせば、指揮官の「ライトはまだ」発言は、ハッパとも受け取れる。誠也は意欲満々だ。

 「スタメンで出られたら一番いい。出られなくても、ベンチでやることはたくさんある。選手同士が助け合って一つのチームになるので、そこは意識してやりたい」

 キャンプ初日は、小久保監督が見守る前でフリー打撃に汗を流した。自分に合った新しいフォームを模索し、固める最中でありながら、打撃投手と変化球、スローボールのマシン相手に95スイングし、安打性は34本、サク越えも3発放った。

 「自主トレと違って力むし、違った箇所に張りが出る。ユニホームを着ると、これだけ違うんだ…と実感した。面白い」

 昨季91〜93キロだった体重は目下96キロ。「ケガ予防にしっかりトレーニングした結果。シーズンに入ったら徐々に絞れる」と言うが、体は見るからに大きくなり、下半身は重量感すらある。世界と戦う土台は万全だ。

 「怖さを知らない分、思い切ってプレーできると思う。世界一を目指したい」。指揮官に刺激を注入された22歳が、右翼の定位置を獲り、侍ジャパンをけん引する。 (江尾 卓也)

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2017年2月2日のニュース