メジャー関係者がっかり?大谷 米キャンプ実戦回避も 栗山監督示唆

[ 2017年1月18日 05:30 ]

アリゾナキャンプでの実戦登板を回避する可能性が高まった大谷
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 メジャー関係者はがっかり?日本ハムの栗山英樹監督(55)が17日、2月1日(日本時間2日)から10日(同11日)まで米アリゾナ州で行う春季キャンプで大谷翔平投手(22)を実戦に出場させない可能性を示唆した。

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では7日の開幕キューバ戦(東京ドーム)の先発登板が有力視されるほか、投打に期待が大きい「二刀流侍」。状態を見極め、オーバーペースを防ぐ。

 日本が世界に誇る「二刀流」を、絶対に故障させるわけにはいかない。全てはWBC、その後のシーズンでも100%の力を発揮させるためだ。

 この日、球団は2月のキャンプのメンバー振り分けを発表。栗山監督は昨年に続いてアリゾナキャンプからのスタートが決まった大谷について「少し(ペースを)抑えさせる。本人は疲れていないという感覚だと思うけど、そういうときに故障が起きる。ペースを上げさせない方がいいと踏んだ」と語り、実戦出場に関しても「米国で無理することはない。“出る”と言うと思うけど」と慎重な姿勢を見せた。

 プロ4年目の昨季、大谷の二刀流はさらに進化した。10勝&22本塁打で優勝に大きく貢献してMVPを獲得。ポストシーズンでも自己最速記録を更新する165キロを叩き出すなど大車輪の活躍でチームを日本一まで導いた。3月には侍ジャパンの一員としてWBCに出場し、7日の1次ラウンド初戦・キューバ戦の先発登板が有力視されている。投打フル回転で世界一をつかむため、年末年始も時間が許す限り自主トレを行った。

 今月上旬、栗山監督は大谷と会って「じっくりやってくれ」とオーバーペースに気をつけるように指示。その方針はキャンプでも不変だ。「体はみんなが思っている以上に使い切って疲れがあるから」。2月8日(日本時間9日)に韓国・KTウィズとの練習試合、9日(同10日)には紅白戦が組まれている。大谷本人の意思を最大限に尊重した上で少しでも状態に不安があれば投打ともに出場させない構えだ。

 大谷は昨年12月の契約更改交渉で球団から、早ければ今オフのポスティングシステムを利用したメジャー移籍を容認された。昨春のアリゾナキャンプは大谷目当てのメジャー関係者でごった返したが、「挑戦」の現実味が増した今年は球団幹部やスカウトらの来訪に拍車がかかる見込み。仮に実戦出場がなければ関係者にとっては「肩透かし」となるが、重要なのは目先の評価ではない。

 栗山監督は「打者と投手、大谷翔平は2人いると思っている。打者が先に進むならいかせる」とコンディションを見極めながら柔軟に投打の調整のペースを決めていく方針。日本代表の世界一、そしてシーズンでの日本一連覇に向け、大谷の一挙一動に目を光らせる。 (山田 忠範)

 ≪メジャー残念?昨季は30球団視察≫昨年のアリゾナキャンプでは大谷が実戦初登板した2月10日の韓国・ロッテ戦にメジャー30球団、約70人のスカウトらが集結。大谷は最速157キロで2回無失点と好投した。カブスのセオ・エプスタイン編成本部長は「大谷が投げると聞いて見に来た。わざわざ日本に行かなくても見られてよかった」、ブルワーズ前GMのブ軍ダグ・メルビン・シニアアドバイザーは「誰が見ても才能がずばぬけている」と話した。また、指名打者で出場した8日の同戦は米13球団のスカウトが視察。広島と楽天で指揮を執ったナショナルズのマーティ・ブラウン環太平洋スカウトは「メジャーで二刀流は難しいが、できるとしたら大谷だろう」と評した。

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