福留 不惑シーズン乗り切るカギは脱・全力 前田智氏から金言

[ 2017年1月16日 05:40 ]

<名球会東西対抗戦>2回無死一塁 福留は右前打を放つ。投手・工藤
Photo By スポニチ

 憧れの先輩から金言ゲットだ。阪神の福留孝介外野手(39)が15日、宮崎県のKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎で行われた「名球会フェスティバル2017」に参加。野球教室や東西対抗戦で行動をともにした元広島の前田智徳氏(45)から「八分目のススメ」を受けた。42歳まで現役で活躍した天才打者の言葉を胸に不惑のシーズンに挑む。

 何歳になってもどん欲に学ぼうとする姿勢は変わらない。この日の午前中に行われた野球教室でともに「バッティング」を担当した前田氏とのつかの間の会話。ずっと目標にしてきた憧れの先輩の金言に、福留は目を輝かせながら耳を傾けた。

 「いろんな方と話ができた。先輩たちに教えていただいたことを参考にしながら、しっかりやっていきたい」

 14日から3日間、宮崎県内で行われる名球会イベント。現役では最古参の域だが、ここでは最年少の新会員で、周りを見渡せば伝説的な剛腕や大砲、安打製造機だらけ。中でも前田氏は同じ左の中距離打者タイプで、打撃技術や理論のお手本としてきた先輩だ。「前田さんのバッティングは非常に参考にさせてもらってきた」と話したこともある。技術論も交わしたが、この日、前田氏が福留に強調したのは「八分目のススメ」。40歳を超えて現役で活躍する上での体調管理意識の持ち方だった。

 「メジャーに行ったりして、体のケガとも戦いながらよく粘っている。これからは技術的な練習よりも、コンディションを整えるトレーニングさえしっかりすれば、まだまだできる。10割の力でやったらケガをする。7、8割でやってちょうどいい。そこら辺は頭を使ってね」

 自らの経験を元にした金言には重みがある。前田氏も現役の晩年は相次ぐ故障に苦しんだが、福留も昨季序盤に左太もも裏を痛めるなどケガと無縁ではないだけに、心に響いた。

 午後からの東西対抗戦では西軍の一員として2回から途中出場。現役として恥ずかしい姿は見せられない中、第1打席で東軍先発のソフトバンク・工藤監督から中前打を放った。2打席目は昨季、現役引退したばかりの元広島・黒田氏との対決。もう少しで本塁打という右飛を放ち、前田氏も「強烈な打球だった。風がなければ(スタンドに)行っていたね」と舌を巻いた。

 そうそうたるお歴々に囲まれた14日の名球会総会では終始、緊張気味だったが「今日は野球をやるだけだったんで、楽しくやれました」と笑顔を見せた。阪神ではもっぱら手本を示し助言を与える立場だけに、もう一度、初心を思い出す良い機会。レジェンドたちのノウハウを吸収し、福留がさらに進化してチームに戻ってくる。 (山添 晴治)

続きを表示

2017年1月16日のニュース