“最初で最後”黒田氏が新井斬り!現役さながら投球で遊ゴロ

[ 2017年1月16日 05:30 ]

<名球会東西対抗戦>4回2死、新井貴は黒田に遊ゴロに打ち取られる
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 予告通りの夢対決だ!日本プロ野球名球会は15日、サンマリン宮崎で「名球会フェスティバル2017in宮崎」を開催し、東西対抗戦では昨季広島を25年ぶりのリーグ優勝に導いた盟友同士の「ガチンコ対決」が実現した。昨季限りで現役を引退した元広島の黒田博樹氏(41)が4回から登板。広島・新井貴浩内野手(39)に対し、現役さながらの投球で遊ゴロに打ち取り、5700人の観衆を沸かせた。

 東西対抗戦最大の見せ場は、山本浩二理事長の粋な演出で4回に訪れた。現役時の所属球団で振り分けられるため黒田氏は本来は西軍だったが、投手不足を理由に東軍へ「緊急トレード」。背番号15は、この日一番の歓声を浴びてマウンドに上がった。

 昨年10月25日の日本ハムとの日本シリーズ第3戦(札幌ドーム)以来、約3カ月ぶりの登板。まずは広島で同僚だった1番・前田智徳氏を中飛に打ち取ると、日米でしのぎを削った阪神・福留も右飛に。登板は1イニングの予定だっただけに、3番の侍ジャパン・小久保監督に代わり、4番に入っていた新井が繰り上がって代打で登場した。「黒田と新井の対決はなかなかファンの方も見られない。何とか対戦を実現しようと、ずっと考えを練っていたのでよかった」と山本理事長。5回制の4回2死無走者。広島のユニホームが目立つ客席からは大歓声とともに万雷の拍手が湧き上がった。

 「新井だったので、目いっぱい投げました。たぶん対戦するのは最後になると思うので、いい思い出になりました」

 ここまでの最速は129キロだったが、新井との対決で、黒田氏のギアが一段階上がる。初球にこの日最速となる134キロを内角に投げ込んで、見逃しストライク。2球目も内角高めへ133キロを投げ込み、のけぞらせる。そして最後は外角低めへ129キロの直球だ。「全部真っすぐですけど、微妙に動きました」と、現役さながらの内外角を使った配球で詰まらせて昨季のリーグMVPを遊ゴロに打ち取った。

 「(メンバーの中では)若いのでそれなりの投球をしないといけないと。カープファンもたくさん来てくれたので、しっかり投げられて良かったです」という黒田氏に対し、新井は「球が速かった。ちょっと悔しい。打ちたかったです」と頭をかくしかなかった。

 昨年7月23日の阪神戦(マツダ)で日米通算200勝を挙げて名球会入りした黒田氏。引退後は自宅がある米国ロサンゼルスを拠点としているが、久々のユニホームに「今日は楽しかったです。気持ちよくマウンドに上がらせてもらいました」と笑顔を見せた。往年の名選手が顔をそろえたお祭り舞台。紛れもなく主役の一人だった。 (柳澤 元紀)

 ▼シート打撃では対戦 両雄は春季キャンプ中にシート打撃で対戦経験がある。黒田氏がメジャーから復帰した15年は2月28日(コザしんきん)で3打席対戦し、中飛、左越え本塁打、見逃し三振。最後は外角ボールゾーンからストライクゾーンに入ってくる宝刀ツーシームに手が出ず、新井は「ボールだと目を切ったらストライクだった」と舌を巻いた。16年は2月27日(同)に同じく3打席対戦し投直、三ゴロ、一ゴロ。

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