糸井は練習メニュー一任 金本監督、信頼して当然

[ 2017年1月10日 05:30 ]

オリックスから阪神へFA移籍した糸井
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 阪神・金本知憲監督(48)が9日、兵庫県西宮市内の甲子園球場クラブハウスを訪れ、フリーエージェント(FA)で加入し中堅起用を明言している糸井嘉男外野手(35)に対し、沖縄・宜野座での春季キャンプでは、練習メニューを一任する方針を示した。実戦出場時期についても本人の意思を尊重する「放任キャンプ」で、V奪回のキーマンを万全の状態で開幕に向かわせる。

 8日の合同スタッフ会議後、金本監督は今春キャンプのテーマを「(鍛錬と実戦の)両方」と掲げた。特に若手については昨春同様、開幕に合わせる調整ではなく、根本から鍛え上げる方針を固めている。ただ、実績のある選手は例外。開幕に合わせた調整を容認する。今季から加入する糸井も、その一人だ。

 「糸井はもう任せますよ。全然、彼に。(要求は)ない。ずっと、やっとるから。何もない」

 昨季までの野手実働10シーズンで打率3割以上が7度。生涯打率・301を誇る背番号7に注文は何もない。すでに鋼の肉体と卓越した技術を持ち合わせている。実績に乏しい選手たちとは、そもそも、くくりが違う。開幕に照準を合わせ、故障なく調整を進めてくれればいいというわけだ。

 それが、糸井スタイルでもある。昨季まで在籍したオリックスでも、春季キャンプでは外国人選手と同じグループに分類され、練習メニューも一任されていた。シートノックなどの全体練習メニューへの参加も免除され、自分で考えた調整法で開幕を迎えていた。それで結果を出してくれるなら何も言う必要はない。

 「(実戦出場も3月に入ってからで)いいよ、いいよ、全然。俺もそうやったし。自由にね」

 指揮官自身も現役時代は「放任キャンプ」だった。2月10日に故障離脱した阪神加入1年目の03年キャンプは例外として、04年以降もマイペース調整を容認された。例えば04年の初実戦は3月7日。それでも、今季の糸井と同じ36歳シーズンを打率・317、34本塁打、113打点という好成績で終えている。そんな自らの経験も、糸井への「信頼」となっている。

 もちろん、一概にスローペースを奨励するわけでもない。今春は昨春より練習試合や紅白戦を増やす方針。2月7日の第2クールから実戦練習を採り入れる算段で、糸井が早期の実戦出場を希望した場合も柔軟に対応する構えだ。

 「(実戦出場は)本人の希望による。出たいと言えば出させる。1打席2打席でも。まあ、あまり早い時期に出ると若手が見られないから『もうちょっと待て』となるかもしれないけど。基本的には彼のやりたいようにやらせたい」。最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整え、キーマンの持ち味を存分に引き出す。 (惟任 貴信)

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2017年1月10日のニュース