大谷 長嶋さんと初対面していた オーラ一番「凄く刺激もらえた」

[ 2017年1月7日 05:32 ]

マシン打撃で汗を流す大谷
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 日本ハムの大谷翔平投手(22)が6日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で本格始動し、自主トレーニングを公開した。昨季終了後は表彰式、テレビ出演などで多忙を極めたが、その中でも巨人・長嶋茂雄終身名誉監 督(80)との初対面は強烈な印象として残った。国民的スターのオーラに圧倒され、自らの未来に思いをはせた。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、今後のハイペース調整も示唆。世界一を達成し、スーパースターへの階段を駆け上がる。

 目を輝かせた大谷の表情は、野球少年そのものだった。二刀流5年目の本格始動。テレビカメラ8台、スチルカメラ13台、60人を超える報道陣から「このオフに一番印象に残ったことは?」と質問されたときだった。

 「長嶋(終身名誉)監督に初めて会う機会があって、凄く刺激をもらえて、勉強になった」

 投げては10勝、打っては22本塁打。昨季チームを10年ぶりの日本一に導き、MVPに輝いた22歳には野球界の枠を超え、各分野からオファーが殺到した。大みそかにはNHK紅白歌合戦で審査員を務めるなど、多忙を極めて岩手の実家に帰省もできなかった。

 「全部が全部、新鮮。野球以外の人と会い、その人の空気感とか勉強になった」。その中でも、この人だけは特別だ。昨年12月、ソフトバンク・王貞治球団会長とともに、「ON」として巨人のV9をけん引した長嶋氏と取材現場で初対面。今や日米の球界を席巻する二刀流だが、58歳上の国民的スーパースターのオーラに圧倒された。

 「言葉ではなく、話している感じとか人柄。現役(時代)を知らない僕らでもそう感じるということは、それだけ魅力があるということ」

 この日は室内練習場で打撃マシンを相手にバットを振り込み、ネットスローで腕を振った。そんな姿をカメラに追われた。注目度はすでに「ミスター級」だが、大谷は「全然、残してきたものが違う」と否定する。ただ、真摯(しんし)に質問に受け答えをする立ち居振る舞い、積極的なファンサービスは、プロ野球選手として常に意識してきた。それを率先してきたのが長嶋氏だ。

 「僕が長嶋さんにそういう感情を抱いたように(その空気感は)目指すものではなく、それは周りが決めること」。ファンあってのプロ野球。スターの領域に足を踏み入れた男だからこそ、国民を熱狂させた長嶋氏のカリスマ性を肌で感じ取ることができた。

 3月にWBCが控える。現在の仕上がりは「10%」とし、今後については「約1カ月くらい(例年よりペースが)早くなる」と青写真を描く。遠投を取り入れ、1月中には捕手を座らせた本格投球もスタートさせる。

 今年の目標を「無」と色紙に記し、「無心で頑張りたい。無駄な欲はいらない」と言った。目指すは世界一奪回、そして日本一連覇。そのひたむきな姿が、必ず大谷をスーパースターへ押し上げる。(柳原 直之)

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