西武・多和田 松坂以来2年目開幕あるぞ!雄星か「どちらか」辻監督明言

[ 2017年1月3日 05:30 ]

ファンと一緒にLポーズを決める(左から)高橋光、辻監督、多和田
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 2年目を迎えた西武・多和田真三郎投手(23)が2日、埼玉県所沢市内で行われたトークショーに参加し辻発彦新監督(58)から開幕投手の有力候補に指名された。昨季チーム最多12勝左腕・菊池雄星投手(25)が本命視されるが、指揮官が昨季7勝の右腕を対抗馬に挙げたのは期待の表れ。2年目で開幕投手を務めれば、00年の松坂大輔(現ソフトバンク)以来で、若き右腕が新生「辻西武」の船出を飾る。

 2年目の多和田は思わず、驚きの表情を浮かべた。辻監督、高橋光と椅子を並べたトークショー。3月31日に札幌ドームで日本ハムと対戦する今季の開幕投手に話が及んだ時だった。「(菊池と多和田の)どちらかでしょう。(通達は2月の春季キャンプの)後半でもいいんじゃないかな。なあ、多和田。早く知りたい?」。指揮官からの想定外の振りにも慌てない。「自分はいつでもいいです。頑張ります」と力強く誓った。

 潜在能力は底知れない。新人だった昨季は大学時代から抱えていた右肩痛で出遅れながらも7勝(5敗)をマーク。8月以降は同11日の日本ハム戦(札幌ドーム)でのプロ初完封を含む5勝(1敗)とエース級の活躍を見せた。13、14年と開幕投手を務めたエース・岸は楽天へFA移籍し、15年の開幕投手・牧田はWBCの侍ジャパンに選出され、難しい調整を強いられる。開幕戦は昨季、初めて大役を務めた菊池と一騎打ちの様相だ。

 その菊池とは今月上旬から沖縄で合同自主トレを予定。「雄星さんは野球面、人間性も凄い。見習っていければ」と謙遜したが「(開幕候補に)名前を挙げてもらった。一生懸命頑張って目指したい」と表情を引き締めた。

 辻監督が「プロ向きだよ」とほれ込んだ強心臓ぶりはトークショーでも垣間見えた。沖縄出身の右腕はシーズン中に気持ちを切り替える方法を聞かれ「性格的に考え込まない。自然とうまくいきます」と涼しい表情。将来の侍ジャパン入りにも「自分は(意欲が)そこまでないです」と返した。指揮官に「十分素質はある。18番のユニホームを着てるんだろ!」とハッパを掛けられ、「目指します」と笑った。

 元日には今季の活躍を予感させる出来事も。自宅近くに初詣へ行った際に鳥のフンが空から左肩に落ちてきたという。「汚いと思ったけど(運がついて)よかったかなと。2桁勝ちたい。ブレークする年にしたい」。今年24歳を迎える年男の右腕がチームの命運を握る。 (平尾 類)

 ◆多和田 真三郎(たわた・しんさぶろう)1993年(平5)4月13日、沖縄県生まれの23歳。中部商では甲子園出場なし。富士大に進み、1年時の明治神宮大会では国際武道大戦でノーヒットノーランを達成。北東北大学野球リーグでMVP5度、ベストナイン4度。15年ドラフト1位で西武入団。6度目の先発となった昨年6月19日のヤクルト戦でプロ初勝利。1メートル82、82キロ。右投げ右打ち。今季年俸2300万円。

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