オリ若手野手に好評の“小谷野サンタ”、そのプレゼントとは…

[ 2016年12月25日 10:15 ]

オリックス・小谷野の豪快なスイング
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 オリックスの若手野手の間で、“小谷野サンタ”が好評だ。神戸市内にある合宿所「青濤館」で完全復活を目指しトレーニングに励む小谷野栄一内野手。駿太、伊藤、伏見らが、その打撃理論を慕い指導を求める一方で、打撃センスにあやかろうと頻繁にバットも、おねだり。小谷野はシーズン中から若手に気前よくバットを贈り続け“バット難民”になったとか。

 「2年続けて、ケガであまり試合に出られなかったからさ。せっかくなら試合で使ってもらいたいっていうのもある。シーズン始まる前は20本くらいあったんだけど、今は1本しかなくなっちゃったよ(笑い)」

 日本ハムから移籍した15年は左太もも肉離れの影響で出場56試合。巻き返しを期して臨んだ今季も6月に、またも同じ故障が響き、わずか50試合で打率・249。本来の能力を発揮することができずにいる。「2年間ケガをして1軍で活躍できていないので、申し訳ない気持ちがある」。もどかしい状況が続くが、チーム最年長の自覚から自身のトレーニングと平行して若手育成にも尽力する。駿太は「小谷野さんの打撃は“本当に力を入れているのか”って思うくらい見ていて無駄がないですよね。若手の質問に嫌な顔一つせず答えてくれるし、教え方もすごく分かりやすいから、みんなが付いていくんだと思う」と信頼は厚い。

 3年契約の最終年となる来季、37歳を迎える。例年オフは古巣・日本ハムの元同僚と合同自主トレを行っていたが、今オフは初めてオリックスの若手野手を連れ立ってトレーニングに励む。「伏見、縞田、奥浪も来るのかな。他球団の選手は来ない。チームのことを考えた時に刺激し合ってレベルアップした方がいいからね。チームの若い選手と練習することは、メリットしかないよ」。

 今年9月下旬に手術した左足首の経過は良好で、万全の状態で来春キャンプに挑む。「今すぐにキャンプに入れるくらい回復している。この2年がつらすぎて、1年間1軍にいることが最大の目標。1年間いれば成績も付いてくる。複数年持っていなかったら、確実に今年で終わっていた。来年もそういう覚悟はある」。背水覚悟で臨む来季こそ、若手にバットを贈る余裕はないシーズンを送るつもりだ。(記者コラム・湯澤 涼)

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2016年12月25日のニュース