新井さんはアラフォーの星!2000万円から39歳再び大台1億1000万円

[ 2016年12月16日 05:30 ]

契約を更改しリーグ優勝&MVP記念ボードを手に笑顔の新井
Photo By スポニチ

 アラフォー世代の希望の星だ。広島の新井貴浩内野手(39)が15日、マツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、5000万円増の年俸1億1000万円プラス出来高払いでサインした。チーム最多の101打点を挙げ、25年ぶりのリーグ優勝に貢献。セ・リーグ最年長となるMVPも受賞した。阪神から古巣に復帰した2014年オフに年俸2億円から2000万円に大幅ダウンしたが、3年ぶりの大台返り咲きとなった。

 とびっきりの笑顔を見せた。5000万円増の年俸1億1000万円。3年ぶりとなる「大台復帰」に、新井は「たくさん上げていただいた。想像できなかったことが今年、一気に起こっている」と声を弾ませた。

 14年オフ。当時2億円だった新井は阪神から1億3000万円減となる7000万円の提示を受けた。復活するために新たな環境を求めた。自由契約を申し出て古巣に復帰。それも10分の1の2000万円だった。ところが、1年後には6000万円。さらに1年後には1億1000万円。驚異的なV字回復である。4月に通算2000安打を達成した39歳の勢いは最後まで衰えず、打率・300、19本塁打、101打点。セ・リーグ最年長となるMVPを受賞し、今季限りで現役を引退した41歳の黒田とともに若手主体のチームを鼓舞しながら引っ張った。

 「優勝はいいものだと経験させてもらった。記録にも記憶にも残る、素晴らしい一年にしてもらった」

 口調に実感がこもる。年齢を感じさせない好成績をマークし、悲願だったリーグの頂点もつかんだ今季。達成感から、来季へのモチベーションが低下してもおかしくないが、ベテランは即座に首を横に振った。その脳裏に刻まれるのは、歓喜に沸くファンの姿だ。

 「優勝して燃え尽きることはない。あれだけ喜んでもらったら、もっともっと喜んでもらいたいと思う。まだまだ燃えているし、来年もまた」

 改めて口にした2年連続のリーグ制覇と84年以来33年ぶりとなる日本一への誓い。来年1月30日には40歳の誕生日を迎え、チーム最年長となる。「40歳と聞くと、ガクッとくる。あまり言わないでほしい」と苦笑いしつつ、この先の現役生活にも言及した。

 「できるだけ長くとは思っていないし、再来年のことは考えられない。一年一年。燃え尽きるまで。それがいつなのか、自分では分からない」

 不惑の年。個人の目標を問われると、前日の契約更改で「打率10割、200本塁打、1000打点」をぶち上げた鈴木に張り合うように言った。

 「鈴木さんが凄いことを言っていたので、打率11割、201本塁打、1001打点で」。こんな冗談が言える新井さんはまだまだ若い。

 ▼広島・鈴木清明球団本部長 復帰1年目もそうだったが、チームをまとめ上げ、自らも成績を残した。(黒田と新井)投打の2人の存在が大きかった。

 ≪主な大幅減俸からの1億円台復帰≫

 ★08年山崎武司(楽)05年、オリックス自由契約から楽天移籍で1億2000万円から5000万円にダウン。07年に本塁打、打点の2冠で1億9200万円とし、4年ぶり大台復帰。

 ★10年中村紀洋(楽)オリックス退団後の07年春に中日と育成を経て支配下契約し、2億円から600万円に大幅ダウン。同年日本一に貢献し、5000万円。09年楽天にFAで移籍し翌年に1億5000万円の大台。

 ★14年福原忍(神)08年、前年の成績不振で1億3000万円から9000万円に。11年に3600万円まで下がるも、13年に14セーブを挙げ1億500万円と7年ぶり大台に到達。

 ★15年馬原孝浩(オ)右肩手術明けの14年は1億3500万円から8500万円にダウン。それでも同年32ホールドと復活し、1億3500万円にV字回復。

続きを表示

この記事のフォト

2016年12月16日のニュース