栗山監督 中田に3冠王指令!達成できなければ「カンチョー」

[ 2016年12月16日 05:30 ]

Tシャツを物色する中田
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 ハワイ優勝旅行中の日本ハムの中田翔内野手(27)が14日(日本時間15日)、栗山英樹監督(55)から来季の「3冠王獲得指令」を受けた。達成できなければ、指揮官から「カンチョーの刑」に処されることにもなった。今季打点王を獲得し、チームを10年ぶりの日本一に導いた不動の4番打者。打率アップを来季の課題に挙げた「常夏の爆買い男」が、バットも大爆発させる。

 ハワイ最大のショッピングモール「アラモアナセンター」で、中田の財布のひもは緩みっぱなしだ。衣類や化粧品などを買い、ショップ袋で両手いっぱい。爆買いだ。さらなる飛躍へ、来季はバットも大爆発させたい。目標は高く3冠王。この日、栗山監督から「翔(中田)に3冠王を獲らせる」と言われ「やるからには目指してやる。監督の期待に応えられるようにしたい」と誓った。

 こう意気込むのには理由もある。日本一を成し遂げて迎えた11月23日のファンフェスティバル。栗山監督に呼ばれ、こう言われた。「来季はチームだけでなく、翔(中田)にとって大事な年になる。勝負してくれ」。高校通算87本塁打を放ち、プロ入りした怪物スラッガーも27歳になった。「あんなに長く話をしたのは初めて」と指揮官。今季で3年連続100打点以上をマークし、来年3月のWBCでも主砲を任されるが「超一流の壁」はまだ打破できていないと見ていた。中田自身も「来季はいろいろな意味で特別な一年になる」と真正面から受け止めた。

 3冠王を達成できなければ、栗山監督からの「お仕置き」も待っている。「駄目だったら(中田に)カンチョーする。それくらい何でもする」と指揮官。カンチョーは中田自身が杉谷ら後輩に行うイタズラだ。それを食らうわけにはいかない。3冠王への壁は打率だ。「打点の欲は今のままでいいけど、打率はもっと上を目指していかないと」。今季は・250で、自己最高は13年の・305。プロ9年間で3割超えはこの一度しかない。

 体重100キロから90キロ台中盤まで落とし、終盤に息切れした昨季の反省も生かす。「体重は変に意識せずにやっていこうと思う。今は100キロくらい」。今季も開幕前は100キロ前後を保ち、自己最多の110打点で打点王に輝いている。天性の飛距離と内角をさばく技術は高い。100キロボディーを保ちながら確実性を追い求めていくのが「3冠スタイル」だ。

 「コンスタントに3割2分くらい打てば、打点、本塁打は勝手に付いてくる。絶対能力がある。大爆発してほしい」と栗山監督。もちろん、爆買いしたぐらいで満足するような男ではない。(ホノルル・柳原 直之)

 ≪球界主なカンチョー≫

 ☆菊池(広島)今年7月15日の球宴第1戦(ヤフオクドーム)、16日の第2戦(横浜)でDeNA・筒香にお見舞い。2試合連続アーチを放ち、第1戦でMVP、第2戦で敢闘選手賞に輝いた筒香は「(菊池には)本当によく可愛がってもらいました」。

 ☆新庄(日本ハム)04年4月6日のロッテ戦(千葉マリン)の試合前、敵将のバレンタイン監督に食らわせた。2人はメッツ時代の師弟コンビ。9年ぶりに日本球界に復帰したバレンタイン監督は愛弟子からの手荒いあいさつにも、うれしそうだった。

 ☆元木(巨人)00年9月5日の広島戦(東京ドーム)で3−3の9回2死、サヨナラ本塁打を放った高橋由を追いかけて“攻撃”。チームは6連勝で優勝マジック12となり、高橋由は痛みに顔をゆがめながらも笑みを浮かべた。

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