BC石川派遣のハム武田勝氏 球団経営と現場指導の“二刀流”

[ 2016年12月15日 05:30 ]

今季限りで現役引退した元日本ハム・武田勝氏(中央)。来季からはBCリーグ・石川に派遣され、総合コーチとしてユニホームを着る。左は日本ハム・木田GM補佐、右はBCリーグ石川・端保球団代表
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 今季限りで現役引退し、日本ハムからBCリーグ・石川に派遣される武田勝氏(38)が14日、石川県金沢市内のホテルで会見し、フロント業務では「ヴァイスプレジデント(VP)」の肩書が与えられ、グラウンドでは「総合コーチ」として活動することが発表された。契約期間は1年間で、背番号は現役時代と同じ「38」に決定。通算82勝を挙げた左腕が「異色の二刀流」として新たな一歩を踏み出す。

 武田氏の表情はいつもと少し違った。1万円で購入した伊達眼鏡を着用。「サラリーマンモードなので眼鏡を着けて、スーツもクリーニングしてきました」。会見場には約30人が集まったが、熱心にメモをとる記者だらけ。これに我慢できなくなったのか、武田氏は「北海道ではこれで受けるのですが…」と苦笑いを浮かべた。

 そんな空気も少しずつ和らいでいった。新天地ではフロント業とコーチ業の「二刀流」で活動する。今回の会見に同行した日本ハム・木田優夫GM補佐も13、14年の石川時代は「投手兼GM」として活躍。武田氏にはフロントとして「ヴァイスプレジデント」の肩書がついた。直訳すると「副社長」だが、実際はスポンサー営業からファンサービス、電話番までこなす「何でも屋」だ。

 現役時代はお立ち台で「オカリナ」を演奏したことで有名だった。引退後は「オカリナ協会」から感謝の手紙をもらい、「北陸にいる3000人の会員が待っている」との言葉もつづられていた。武田氏は「オカリナ付きのチケットを発売するとかね」と早くも独自のアイデアを披露した。

 指導者として第一歩も来季から踏み出す。投手コーチを兼任する元日本ハム・多田野とタッグを組み、「若い選手にかみ砕いた言葉で細かく説明していきたい」と対話重視を宣言。ただし、「投げるだけでなく、打つこともあるかもしれない」と色気を見せた現役復帰は、契約内容の壁に阻まれて実現しなさそうだ。(横市 勇)

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2016年12月15日のニュース