大谷 来季開幕投手回避も 栗山監督が示唆、WBC優先「野球のために」

[ 2016年12月15日 05:35 ]

日本ハムの大谷
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 ハワイ優勝旅行中の日本ハム・栗山英樹監督(55)が13日(日本時間14日)、大谷翔平投手(22)を来季開幕投手に起用しない可能性を示唆した。来年3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での代表選出が決定的で、体の負担を考慮した。13年は楽天・田中(現ヤンキース)が第3回大会後の開幕戦登板を避け、24勝0敗の歴史的好成績をマーク。栗山監督は来季の大谷に無敗の「マー君街道」再現を期待した。

 常夏の楽園でも、考えはぶれない。来季開幕投手について考えを問われた栗山監督は、意外なほどサバサバとしていた。

 「もちろんシーズンは大事だけど、今回のWBCは日本の威信をかけた戦い。だから“全面協力する”と言っている。悩まないかもしれない」

 開幕戦は3月31日の西武戦(札幌ドーム)。日本時間23日に行われるWBC決勝に進出して投げれば、中7日となる。登板不可能なほどタイトな日程ではないが、激闘の疲れは色濃く残り、WBC公式球からNPB球への再対応も求められる。開幕投手をこれまで「白紙」としてきた指揮官が「野球のために。しようがない」と、大谷を使わない方向へ大きく踏み込む言葉を発した。

 かつて、田中が同じ道を歩んだ。13年WBC出場後、開幕戦先発を新人の則本に譲って回避。ここから史上初の開幕24連勝という伝説を打ち立て、日本一を置き土産にメジャーへ移籍した。

 日本ハムは来オフ以降に大谷が望めばポスティングシステムを使うことを認めた。「できるだけ早く世界に送り出したいと思っている」と話す栗山監督が、来季の「投手・大谷」に課す“最後”のノルマは−−。「マー君でしょ。24勝0敗。投げる試合の勝つ確率を上げないといけない」。今年の大谷は右手中指のマメの影響で1カ月以上もマウンドを離れたが、21試合に投げ防御率1・86を残した。進化に次ぐ進化を見せてきた男なら、田中の再現は決して不可能ではないと思える。

 開幕戦は登板回避したとしても、大谷なら打者として貢献できる。指揮官は投手以外の守りに就く可能性については「それは来年じゃない」と否定し、来季もDHとの二刀流になる。西武の開幕投手は、大谷にとっては花巻東の先輩にあたる菊池が有力。この日、ドラフト同期の鍵谷らとジェットスキーなどマリンスポーツを楽しんだ大谷は「開幕戦はどのチームも取りたい。シーズンの最初は大事だと思う」と言葉に力を込めていた。(ホノルル・柳原 直之)

 ▽13年の楽天・田中 米国でのWBC決勝トーナメントは日本が勝ち進めば3月19日(日本時間20日)の決勝に先発予定だったが、17日(同18日)の準決勝で敗退し消滅した。19日に帰国すると23日のオープン戦での救援登板を経て、開幕4試合目の4月2日オリックス戦に初登板し勝利。以降は連勝を続け、28試合で24勝0敗1セーブ、防御率1.27だった。

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