沢村「絶対に渡しません」164キロ腕獲得秒読みも守護神死守だ

[ 2016年12月11日 05:30 ]

巨人の沢村
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 守護神の座は譲らん!巨人・沢村拓一投手(28)が10日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを行い、ストッパー死守を宣言した。今オフ、投打に大補強が進められる中で、新守護神候補として前マリナーズの164キロ右腕アークメイデス・カミネロ投手(29)獲得が秒読み。沢村は抑え転向となった昨年36セーブ、今季は自己最多の37セーブで最多セーブを獲得したが、予想される厳しい競争を勝ち抜く覚悟をにじませた。

 決意と覚悟で口調は熱を帯びた。沢村はきっぱりと、そして自身に言い聞かせるように強い言葉で思いを表現した。

 「絶対に渡しません。2年抑えをやって、簡単なポジションではないと思っているし、簡単に譲るつもりはありません」

 寒風が吹き荒れたジャイアンツ球場。沢村は室内練習場とはいえTシャツ姿でキャッチボールなどの自主トレに励んだ。ドミニカ共和国出身で今季メジャーで57試合に登板したカミネロの加入決定は間近。「チームメートになれば力を合わせて一緒に優勝を目指すのが前提」と言いながらも、抑えの役割に強いこだわりを見せた。

 今オフの沢村はカーブ、チェンジアップの習得を課題に挙げる。直球、スライダー、フォークが軸となる投球の幅を広げることが狙いだが、さらに新たな球種への挑戦も明かした。カットボールだ。「芯を外すには有効だし、投げられたらバッターの嫌がる球になる」。左打者の内角に食い込み、直球と見分けがつきにくい球種をマスターすれば、1球で仕留められる可能性も高くなる。

 クローザーでカットボールといえば、メジャー歴代最多652セーブを誇るヤンキースのリベラが有名。「リベラはカットだけで抑えていましたよね。そこまでとは言わないですよ」と話すが、今季は5連投を3度、3連投も4度と、計63試合に登板。今季はセーブ機会に8度失敗したが、8月以降に4度と、シーズン終盤に疲労が出た。長いシーズンを見据えてもメリットは多い。

 15年の抑え転向から36セーブ、37セーブをマーク。「この世界にいる以上、前年の成績、数字は関係なく競争なのは毎年、同じ」。沢村の頭にあるのは、変わらぬ役割で、3年ぶりのV奪回の力になることだけだ。 (春川 英樹)

 ▽球界の主なカットボーラー 日本では元中日・川上が代表的存在として知られ、140キロ台の直球と同じ速さで左打者の内角をえぐるように鋭く曲がるのが特徴。02年8月には巨人相手にノーヒットノーランを達成した。今季は広島・黒田、巨人・菅野、オリックス・金子、日本ハム・有原らがカットボールを武器として活躍した。

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2016年12月11日のニュース