鳥谷 遊撃一本で北條と勝負!金本監督「同じなら若い方優先」

[ 2016年12月7日 05:30 ]

阪神の鳥谷
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 阪神・鳥谷敬内野手(35)が来季も遊撃一本で勝負する決意を金本知憲監督(48)に明かしていたことが分かった。11月下旬に直接会談があり、遊撃の定位置奪回への強いこだわりを訴えた。金本監督は今季台頭した北條と競わせることと「(力が)同じなら若い方が優先」という方針を伝えた。競争に敗れれば、控えに回る可能性も否定できず、再起への強い覚悟が表れた。

 復活を期す鳥谷の悲壮な決意が明らかになった。注目を集めていた来季の起用法。遊撃一本での勝負を決断し、金本監督にも伝えていたことが判明した。11月下旬に話し合いがあったことを金本監督が明かした。

 「これから、どこ守ってほしいとか、意見は聞いたけど、ショート一本でやると言っているから。それは、やっぱり尊重してやらんと」

 今季終盤に守った三塁や13年に出場したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表で務めた二塁転向も選択肢にあった中、遊撃へ強いこだわりを持つ鳥谷の意思を受け止めた。

 プロ13年目の今季は極度の不振で苦しんだ。7月24日の広島戦(マツダ)で先発を外れ、12年3月30日のDeNA戦(京セラドーム)から5年間続けていた連続フルイニング出場は歴代4位の667試合で途切れた。12年連続の全試合出場で連続出場は1752試合へ伸びた一方、規定打席未満だった1年目(打率・251)を除けば自己最低の打率・236に甘んじた。

 今季は高卒4年目の北條が台頭し、8月半ばからは鳥谷に代わって遊撃に固定された。来る来春キャンプでは2人で遊撃の定位置を巡って争う方針が決定。金本監督は「競争がチームを強くする」と活性化そのものには歓迎の姿勢を示しながらも時計の針を逆戻りさせることの困難さを鳥谷本人にも伝えたという。

 「正直、今の流れは北條で来ているんだから。圧倒的な力を見せない限りは(力が)同じぐらいだったら若いのを行くという方に向いている。ちゃんとトリも“分かっています”と納得の上。その上でショートで勝負したいということだから。それは、もう見守りますよ。見守るという言い方には語弊があるかもしれないけど、やればいいと思う」

 来季のチームスローガンは『挑む』。遊撃一本に『挑む』ということは二塁や三塁への転向という退路を断つことに他ならない。金本監督は「同じだったら優先されるのは若い方」と繰り返して強調。求められる“圧倒的な力”を示せなければ、控えに回る可能性も否定できない。

 キャンプ、オープン戦で予想される激しい争い。決着時期については「これは分からない。これだけはいつ判断というのはない」と明言を避けた。来年3月31日の広島との開幕戦(マツダ)。鳥谷はグラウンドに立つのか。それとも…。挑戦者として22歳の後輩へ立ち向かう覚悟を固めた。(山本 浩之)

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