陽岱鋼も巨人決定的!オリに断り、楽天“撤退” 巨大補強完成へ

[ 2016年12月7日 05:33 ]

日本ハムからFA宣言した陽岱鋼
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 日本ハムからFA宣言した陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)外野手(29)の巨人入りが6日、決定的となった。糸井嘉男外野手(35)のFA宣言にともない獲得の意思を表明していたオリックスに同日、代理人を通じて断りを入れた。楽天の交渉も難航しており、今月に入ってから争奪戦に緊急参戦した巨人が3年総額10億円以上の条件で大逆転。山口俊、森福に続く、初のFA選手「トリプル獲り」によって、今オフの24億円超の大型補強が完成する。

 今オフ最後のFA選手の去就決定がいよいよ大詰めを迎えた。トレードで吉川光、FAで山口俊、森福、さらにはマギーまで獲得した巨人が、総額24億円を超える大補強のラストピースとして陽岱鋼との合意が目前となってきた。

 京セラドーム内のオリックス球団事務所に陽岱鋼の代理人からメールが届いたのは、この日の早朝。長村裕之本部長は「非常に難しい選択で、オリックスの誠意には感謝していますが、今回は他球団に行かせていただきますということでした」と内容を説明した。

 オリックスはFA宣言した糸井の慰留交渉と同時進行で陽岱鋼にアタック。今季打率・293、14本塁打を記録した打棒に加え、2年ぶり4度目のゴールデングラブ賞に輝いた中堅手を「ポスト糸井」としても期待を寄せた。糸井の阪神移籍が決まった後も「マネーゲームはしない」という方針を堅持しながら、3、4年の複数年契約を軸に交渉を進めた。

 しかし、巨人が4日に争奪戦参戦を表明すると、大きく風向きは変わった。陽岱鋼の在京志向もあった。長村本部長は「複数球団が来ていることは知っていたが、そうなることも想定して、適正限度額で誠意を持って交渉してきた。選手が選択したことだから仕方がない」と受け止めた。

 楽天も先月21日に星野仙一球団副会長が仙台市内で行われた球団納会で「うちが出せる最大級の条件で獲りにいく」と、西武からFA宣言した岸とのダブル獲りを狙ったが、ここまで好感触を得られず、巨人優勢は動かない状況となった。

 今季2位に終わり、来季3年ぶりのV奪回を目指す巨人にとって、陽岱鋼は固定できなかった1、2番とセンターラインを担う存在として申し分ない。11月末に代理人に正式オファーを行い、3年総額10億円以上の条件を提示したもようで、今後は代理人と細部を詰めることになる。

 現在、母国・台湾へ帰省中の陽岱鋼は、11月29日に都内で行われたゴールデングラブ賞表彰式後に「ゆっくり考えたい。12月半ばくらいには決めたい」と話した。自ら設定したリミットは刻々と近づいている。台湾の国民的スターがまもなく大きな最終決断を下す。

 ◆陽 岱鋼(よう・だいかん)1987年1月17日、台湾・台東市生まれの29歳。福岡第一に野球留学し、高校通算39本塁打。甲子園出場なし。05年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。俊足強打の外野手として13年盗塁王、ゴールデングラブ賞4度受賞。台湾代表で06、13年WBC出場。1メートル83、89キロ。右投げ右打ち。

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