日本ハム 大谷メジャー挑戦容認へ 5日意思確認、来オフにポスティングで

[ 2016年12月5日 07:10 ]

笑顔を浮かべながら室内で練習する大谷
Photo By スポニチ

 日本ハムが5日の大谷翔平投手(22)との契約更改交渉で来オフにポスティングシステムでのメジャー挑戦を容認することが4日、分かった。球団経営者サイドで協議した結果、入団からこれまで4年間の貢献度を高く評価。入団交渉時に提示した育成方針も踏まえ、容認するに至ったもようだ。交渉の席で大谷本人の意思を改めて確認するが、メジャー挑戦の意思は固く、高卒5年目のオフという異例の早期挑戦が実現する。

 ついに、そのときがやって来た。二刀流・大谷の夢の実現だ。球団は来シーズン後にポスティングシステムを利用し、メジャー挑戦することを容認することになった。5日の契約更改交渉の席で大谷本人に意思を確認した上で、球団の意向を示す方向だ。

 球団は日本シリーズで広島を下して日本一になって以降、経営者サイドで大谷のメジャー挑戦について検討を重ね、この日までに容認する方向で一致した。“決め手”の一つとなったのが、入団4年間での球団への貢献度の高さだった。

 大谷は、1年目から栗山監督の強力な後押しで二刀流を続け、プロ2年目の14年に、メジャーでもベーブ・ルースしか達成していない「2桁本塁打&2桁勝利」をマーク。昨季は投手3冠に輝き、今季は投手で防御率1・86と10勝、打者で打率・322と22本塁打と活躍し、チームを日本一に導いた。ベストナインに史上初めて投手&DHの2つのポジションで選ばれ、文句なしのMVP。観客動員数も200万人を突破した。こうした計り知れない貢献度が、容認の判断材料となった。

 ポスティングシステムの利用は、これまで海外FA権の行使が可能となる前年が主流。その例からすれば、利用は4年後の20年オフであり、5年目の来シーズン後の同システム利用は極めて異例と言える。その背景にあるのが12年にドラフト1位指名した後、入団交渉時に提示した「夢への道しるべ」と題した球団資料だ。花巻東(岩手)から直接メジャー挑戦を表明していた大谷に対し、日本で実績を積んで挑戦した方が成功する可能性が高いと説明。日本ハム入りこそ“メジャーへの近道”と訴え、栗山監督も「メジャーへ行くまでうちで預かるということ」と表現していた。

 移籍の時期も、球団はダルビッシュ(現レンジャーズ)の7年を基準に考えており、大谷の成長速度はダルビッシュをも上回っているとして5年がベストのタイミングと判断。ポスティング1年前の容認は、受け入れる大リーグ側へ1年間の準備期間を用意するという配慮もあるようで、大谷自身にとっては来年1年間はメジャー挑戦への準備期間ともなる。

 契約更改交渉の席で球団は、本人の意思を改めて確認する。メジャー挑戦について大谷は「(気持ちは)全く変わっていない」と話しており、来オフの移籍は確実。つまり来季が日本での二刀流の最終年となる。日本最速の5年目のポスティング利用で大谷の「夢への道」は5日、はっきり見えてくる。

 ▽「夢への道しるべ」 日本ハムは12年11月10日の入団交渉で「大谷翔平君 夢への道しるべ 日本スポーツにおける若年期海外進出の考察」と題した冊子を渡した。A4判25ページと別紙5枚にも及んだもので韓国の有望選手らの実例を示し、アマから直接、メジャー挑戦した選手で大リーグ昇格した例がないと指摘。サッカー界でもJリーグで技術を磨いてからの海外挑戦がほとんどというデータも添えた。資料は後に球団公式サイトで公開された。

続きを表示

この記事のフォト

2016年12月5日のニュース