球児“3つの約束” 通算防御率1点台&不動心&Vパレード

[ 2016年12月2日 05:44 ]

契約を更改し会見する藤川
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 阪神の契約更改が1日に西宮市内の球団事務所であり、藤川球児投手(36)は年俸1億5000万円の現状維持でサインした。2年契約最終年の来季はリリーフ専念での活躍が期待され、「通算の防御率1点台」、「不動心」、「優勝パレードの実現」を掲げた。左アキレス腱断裂からの復活を期す西岡剛内野手(32)は1800万円減の9000万円、10勝(9敗)を挙げて飛躍した岩貞祐太投手(25)は2400万円増の4000万円でそれぞれサインした。 (金額はすべて推定)

 契約更改後の会見。過去を振り返ることの少ない藤川が珍しく自分から数字へのこだわりを具体的な言葉で表した。

 「過去の成績は見ないようにはしていたんですが…。(通算防御率が)2点台に乗ってしまったんで、それだけは下げときたい。それがチームのためになる」

 08年シーズン途中に1点台へ乗せて以降、ずっと大台を堅持していた日本通算防御率が2点台へ落ちたのは9月3日のDeNA戦(甲子園)だ。2―1の8回に3番手で登板し、1回2失点(自責点2)で逆転を許した悔しい敗戦を分岐点に2・00となり、2・002で16年シーズンを終えた。

 復帰1年目の今季は先発で開幕を迎え、4月3日のDeNA戦(甲子園)では初勝利を挙げる順調なスタートだった。ただ、以降は結果が出ず、ブルペン陣が手薄になったチーム事情もあって5月半ばからは救援部門へ再転向。難しい調整を強いられた中、43試合で防御率4・60となり、開幕前 で1・77だった日本通算防御率も2点台へ落ちた。

 1点台回復の誓いは絶対的守護神として猛虎に君臨した当時への回帰を目指す決意表明にほかならない。背番号も来季から22番へ復帰。「背番号に恥じないようにしたい。またタイガースのファン、相手チーム、相手チームのファンが持ってくれている22番のピッチャー像を、もっともっと高めないといけないと思いました。汚すことはできない」。名実両面での完全復活を期し、力を込めた。

 「僕が引っ張るというよりも、成績で引っ張るとは思っている。これ以上、成績を落とすわけにはいかないのでね」

 すでに首脳陣からは来季のリリーフ専念の方針を伝えられ、セットアッパーや抑えという重責を担って欲しいという期待を向けられた。逆襲へ向かう日米通算19年目へ向けて掲げたテーマは「不動心」だ。「その心を持って突き進んでいく。優勝することが目標であり、ファンの方々にパレードを見てもらいたい」。1年前の復帰会見で誓った「優勝パレード」を再び言葉にした。そのために戻ってきた。男の約束を藤川は忘れていない。(山本 浩之)

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2016年12月2日のニュース